日本電産は個別最適から全体最適へ変わる 永守社長に聞く、日本電産の生きる道(上)
連邦経営は限界に来た
――これまで個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競いながら成長を促す「連邦経営」が基本でした。ところが、2014年3月期から「グループ一体経営」に移行しています。狙いはどこにありますか。
理由はいくつかある。今までは日本が主戦場だった。しかし、自動車メーカーが典型だが、いよいよグルーバル化が進み、主たるお客さんはアジア、北米、欧州で展開している。
これまでは米国なら米国、アジアならアジア、欧州なら欧州の会社が、それぞれ部品を供給してきた。ところが、今では世界中で同じ品質の部品を、同じ時期、同じ価格で供給できるサプライヤーが必要とされている。
たとえば、ドイツで部品を供給している会社は規模が小さいので、アジアや米国で同じモノをと要望されても、それは不可能。個々のグループ会社には、やれインドだ、メキシコだ、中国だと言われても出て行く力はない。
製品ごとのグループでも再編成を進めている。たとえば、日本電産と日本電産サーボは、ほぼ同じような部品を造ってきた。しかも、グループ企業といえど競争相手でもあった。そこを今回、きちんとすみ分けをして、製品ごとに交通整理をしようというわけだ。個々の会社を重視する連邦経営では、結果的に限界が来たのだ。
今までは個別最適だったが、これからは全体最適が重要。まず連結総体でよくなる方法はどういうものか、これが優先する。自分のところだけがよいというのはもうだめだ。
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