地方の銀行マンに降りかかっている6つの難題 地銀めぐる経営環境はかつてないほど厳しい

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このままでは彼らの働く環境はジワジワ悪くなるだけです(写真:ふじよ/PIXTA)

かつて1990年代に不動産バブルが崩壊した日本では、大手金融機関をはじめとして「金融システム不安」にまで発展する景気後退を経験した。13行あった都市銀行はメガバンク3行とりそな銀行に集約され、その業務内容も時代に合わせて大きく変化を遂げた。

ところが、同様に金融危機に見舞われたはずの地方銀行は、政府主導のもと統廃合や業務提携が行われたものの、その業務内容は依然として政府の厳しい規制が課せられ、業態は戦後一貫してほとんど変わってこなかった。

そんな地方銀行が、ここにきて「アベノミクス=異次元緩和やマイナス金利」などの影響によって、経営基盤を大きく揺るがす事態になってきている。とりわけ2019年3月期決算では、7割の上場地方銀行が減益もしくは最終赤字となり、戦後最長と言われた景気拡大局面の中で業績を悪化させている。

地銀を取り巻く経営環境の厳しさは以前から指摘されているものの、政府は一向に大胆な規制緩和に踏み切ることもせず、その結果地方経済の疲弊を招いている。地方銀行にいま何が起きているのか、日本経済が復活できない原因の1つと言われる地方銀行の経営環境を考えてみたい。

日本経済が復活できない原因は「地方銀行」?

実際、地方銀行の経営環境が悪化していることは以前から指摘されてきている。2019年3月期決算の上場地銀78行の約7割が最終減益となり、収益の中心的な存在であった有価証券運用益でも含み益が6000億円減少したと報道されている。

リーマンショック以来、長引く超低金利の影響や人口減少による地方経済の衰退が、地方銀行の収益環境を悪化させていると見ていいだろう。青森県・みちのく銀行の有価証券運用益の含み損は21億円(2019年3月期)、福島銀行も15億円(同)となり、保有する有価証券が元本割れを起こしている銀行も現れている。

日本銀行が、4月に発表した「金融システムレポート」によれば、10年後の2028年度には国内基準に準拠する銀行(地方銀行)の約6割が、純損益段階で赤字に転落するとの試算を発表している。

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