部下の「適性ないから辞める」は上司に原因あり

新入社員の早期離職は彼らだけの責任でない

なぜ入社直後の新人が辞めてしまうのでしょうか(写真:shironagasukujira/PIXTA)
「1つの会社にはせめて3年はいるべき」と言われていたのも昔のこと。近年、「合わない」と思ったら即離職、という人も珍しくない。極端な例では、「新入社員がたった1日で辞めてしまった」などの話も耳にする。しかし、それでは困るのが会社側。早々に辞められてしまっては、採用や教育にかけたコストが水の泡だ。
どうすれば新入社員の離職を防げるのか? 職場のメンタルヘルス・コミュニケーション対策の第一人者にして、産業カウンセラーの渡部卓氏の著書『人が集まる職場 人が逃げる職場』の内容を一部抜粋し、再構成のうえお届けします。

新入社員の早期離職は大問題

人手不足が叫ばれる今、若手社員を中心とした早期離職の問題は深刻です。実際に私のもとに寄せられる相談の中にも、「自分と仕事とのミスマッチを感じ、会社を辞めていく」というケースが後を絶ちません。

多く聞かれるのは「仕事がうまくいかず、失敗ばかり。自分にこの職業は向いていなかったんだ」「この場所では自分の能力を活かせない。もっと活躍できる場所があるはずだ」といった理由です。

前者は、仕事を続けていく自信をなくし、不安に耐えかね、「これ以上周りに迷惑をかけるのも申し訳ないし……」と辞めていくケースです。ひどい場合だと、「自分は無力だ、ダメな人間だ」と自己肯定感をなくし、うつ病になってしまう人もいます。

また、なんとか仕事をこなそうと残業や休日出勤をしたり、自宅に持ち帰って仕事をしたりした結果、心身を壊して働けなくなってしまう人もいます。

後者は、仕事にやりがいや楽しさ、刺激を感じられずくすぶり続けた結果、辞めていくケースです。職場次第でその人材の能力を引き出し、存分に活躍してもらえた可能性もありますから、本人と職場双方にとって不幸なことでしょう。

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