プレゼンを圧倒的に強める「データ可視化」の肝 Excelだけでは作れない「印象に残るデータ」

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効果的なデータの提示はプレゼンに不可欠だ(写真はイメージです)Photo: kikuo / PIXTA

Microsoft ExcelやNumbersなどの表計算ソフトは、自分の持つデータから表やグラフを作成するのに極めて優れたツールだ。しかし、こうした表計算ソフトで作れるグラフは、棒グラフや折れ線グラフなど基本的なものが中心となる。例えばプレゼンテーションや企画書の作成時に、ふつうのグラフとは異なる「印象に残るデータ」を表現したいケースもあるだろう。そのような場合に役に立つのがデータ可視化(Data Visualization)だ。

データ可視化の定義は広く、出典によってはシンプルな棒グラフなども含まれる場合があるが、本稿では「通常のグラフよりも高度な・複雑なデータの見せ方」といった意味で使う。似た言葉にインフォグラフィック(Infographic)があるが、こちらはデータ可視化の中でも紙面(新聞や雑誌など)で表現されたものを指す。データ可視化を活用することで、プレゼンテーションや企画書など「ここぞ」という場面で説得力のあるデータを表現することができる。データ可視化の方法は幅広いが、今回はウェブ上でも紙でも応用しやすい「ピクトグラム」(絵文字)を紹介する。

東京オリンピックを契機に普及したピクトグラム

ピクトグラムとは何らかの情報を絵文字のような単純化された記号で表現したものだ。例えば私たちが目にする非常口やトイレの人型アイコンなどは代表的なピクトグラムといえる。文字の代わりにピクトグラムを使うことで、遠くからでも認識できたり、言葉のわからない外国であっても意味を理解しやすい。

代表的なピクトグラムのひとつ、非常口の案内記号

今日では街のいたるところで目にするピクトグラムだが、普及したのは1964年の東京オリンピックが契機だと言われる。世界中から訪問客が大挙して押し寄せることが見込まれた中、東京オリンピックのデザイン専門委員会委員長であった勝見勝は言語によらない案内記号「絵文字標識」の作成を発案。のちに日本の美術界・グラフィックデザイン界を牽引する横尾忠則、田中一光、福田繁雄ら当時の若手デザイナーたちと協力して、競技種目や各種設備のピクトグラム全39種を作成した。

勝見はまた、この成果を社会へ還元するため、作成したピクトグラムの著作権を放棄。これにより、ピクトグラムは日本のみならず世界に広まった。先述したトイレの記号も、ここで作成されたものが原型だ。

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