不振店再生に一筋の光、業態転換に活路見出すイトーヨーカ堂《特集・流通大乱》

不振店再生に一筋の光、業態転換に活路見出すイトーヨーカ堂《特集・流通大乱》

GMS(総合スーパー)の終末が近づいている。勝ち組だったイトーヨーカ堂も、不振のカルマ(業)から抜け切れない。2008年2月期の営業利益は前期比6・5%減の171億円。今中間期も既存店売り上げは前中間期比2・7%減。ヨーカ堂はセブン&アイ・ホールディングス・グループ売り上げの4分の1を占めるが、利益貢献は5%にすぎない。中核事業として早期の立て直しが急務だ。

ヨーカ堂やイオンに代表されるGMSは1970年代、日常生活に関連した衣食住すべてを1カ所で扱う「ワンストップショッピング」として急成長を遂げた。ヨーカ堂も早くから駅周辺などに2000坪クラスの店舗を出し、高収益の優等生として一時代を築いた。

が、90年代を迎えると一転、受難の時代に。ユニクロなど、カテゴリーごとに品ぞろえを充実させた専門店が、次々と台頭してきたのだ。

自分で利益を稼げ! 迫られる意識改革

いったん専門店の品ぞろえを体験した消費者に、GMSは飽き足りない。何でもそろうが、欲しいものは何もない店へ“格落ち”する。郊外の大型店を中心にGMSは急速に衰退。コンビニやドラッグストアなど、異業態の出店も相次ぎ、商圏内のシェア争いは激化の一途をたどる。ヨーカ堂も92年度839億円の営業最高益を最後に、長期低迷時代へと踏み込んでいった。

05年9月、ついにグループは機構改革に着手する。セブン‐イレブンとヨーカ堂を中核に、セブン&アイ・ホールディングスを設立。「子会社の利益に依存してきた甘えを払拭する」(鈴木敏文会長)ため、持ち株会社制に移行した。一事業会社として、自前で利益を稼ぎ出すための意識改革を迫られた。原料の一括仕入れや、セブンとの共同商品開発など、グループのシナジー体制を強化。同時に、ヨーカ堂の地方郊外店など不採算30店のリストラも発表。新体制で立て直しに向け走り出した。

その後、ショッピングセンター「アリオ」出店や、専門店強化に向け「赤ちゃん本舗」を子会社化。さらにネットスーパーの店舗網拡大など、数々の対策を打ち出したものの、根本的な打開策とはなっていない。

しかも08年に入ると消費環境は激変。食品メーカーの相次ぐ値上げやガソリン価格の高騰が家計を直撃し、消費者の低価格志向、生活防衛意識はより強固なものとなった。クルマでの来店客が減少し、高額品は伸び悩み、客単価も下落する。消費不振の谷が深いだけに、もう待ったなしの窮地に追い込まれたのだ。

ここで亀井淳社長は「従来の売り場で対応できないなら、業態を変えるほかに道はない」と宣言。売り場レベルの改善を飛び越え、業態転換による改善へと乗り出した。

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