20代4人が語る「平成の恋愛」への強烈な違和感 マッチングアプリが日常化した世代のリアル

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Oさん:男のほうも、アプリの出会いは気をつけなきゃいけないですよ。ある女の子に、めちゃくちゃきれいだなと思って会ってみたんですけど、入った店でひたすら高いものばかり注文されて、こっちはあぜんとして。話してもやたら収入のことばかり聞いてきたり、どんなクレジットカード持っているのか知りたがったり。

筆者:それはまたすごい。

Oさん:お会計でも財布を出すそぶりもなくて、2軒目に誘う間もないまま帰っていって。大失敗です。「ああ、アプリにはプロがいるな……」と肝に銘じました。

Kさん:初対面じゃない、知っている相手であっても、今は同じコミュニティ内の人と関係を持つのには慎重になっている感じがします。SNSとかでいろいろ言いふらされたり、周りに気を遣わせたりするかもしれないので。

筆者:なんだか、いろいろ気をつけなきゃいけないことがあって大変そうですね。

平成生まれの恋愛・結婚観は、夢より現実?

平成生まれの4人の話はいかがでしたでしょうか。改めてまとめると、彼らが「気になる」とピックアップしたのは以下のデータでした。

「いくつになっても恋愛していたい」

「充実した人生のためには何度結婚してもかまわないと思う」

「好きなら不倫な関係でもしょうがないと思う」

「初デートでも互いの気持ちが合えばセックスしてもかまわないと思う」

どれも恋愛的にやや“浮わついた”項目ばかり。そしていずれも1990年代から直近にかけて、20代スコアの減少が全体スコアの減少よりも目立つものでした。

話を聞いた4人はそれぞれ、一般にある程度名前の知られた企業に勤めていて、現在付き合っている彼氏・彼女がいる男女。ですが、恋愛や結婚に対してあまり“夢”を抱いておらず、きちんとした生活を送っていくうえでの“現実的”なものとして捉えているようでした。

離婚や不倫状態にある目上の知人のエピソードを少し冷ややかに語る彼らの目には、「平成初期の若者」である「上の世代」は、やはりどこか“浮わついた”存在のように映っているのかもしれないなと、言葉の端々から感じました。

また平成初期には存在しなかった「マッチングアプリ」の話も印象的でした。一見すれば出会いの可能性を広げる、非常に便利なツール。これを駆使して積極的かつ奔放に恋愛を楽しんでいる人もいるでしょうが、素性のわからない相手と出会うリスクを考慮するという話もあり、かえって恋愛への慎重さを強めている部分もあるのかもしれないと、興味深く感じられました。

恋愛観・結婚観の変化と、平成生まれの意識。皆さんはどんなふうにお感じになりましたでしょうか。あくまで4人の若者の声ではありますが、時代の変化を捉える参考になれば幸いです。

【参考情報】
「生活定点」調査概要
調査地域:首都40km圏、阪神30km圏
調査対象:20~69歳の男女3080人(2018年・有効回収数)
調査手法:訪問留置法
調査時期:1992年から偶数年5月に実施(最新調査は2018年5月16日~6月15日)
三矢 正浩 博報堂生活総合研究所・上席研究員

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みつや まさひろ / Masahiro Mitsuya

2005年㈱博報堂入社。PRプランナーとして民間企業・官公庁等の広報戦略立案・施策実行を担当。2009年より㈱博報堂ブランドコンサルティングにて民間企業のブランド戦略立案等に従事。2011年にPRに復職した後、2016年より現職。2018年のみらい博「進貨論~生活者通貨の誕生~」主担当を務め、外部での講演・寄稿も多数。

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