新卒以外の"潜在能力"はなぜ報われないのか 失われた技能蓄積の機会は、このさき取り戻すことができるか?

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日本型雇用慣行の衰退した先を考えねばならない

日本の大企業で内部労働市場が発達していることは日本型雇用慣行などとも呼ばれているが、この日本型雇用慣行が徐々に衰退しつつあることが随所で指摘されている。

平均勤続年数は若い世代ほど短くなっているし、成果給的な賃金制度の導入などで、勤続年数と賃金の間のリンクも弱まりつつある。また、内部労働市場に参加していない非正社員も増えている。これには日本経済が成長期をとうに過ぎ、長期的な視点に立った人材育成を行う余裕が、企業になくなりつつあることが影響している。

この日本型雇用慣行の衰退という流れが続くのであれば、新卒一括採用もその重要性を徐々に低下させていくことになり、大企業で経営幹部層への育成が期待される一部の層にその対象が限定されていくのではないかと考えられる。

このように新卒一括採用という慣行も日本経済を取り巻く環境の変化や企業の人事のあり方から大きな影響を受けながら変わっていく。そんな中で、第二新卒や転職者の市場の重要性は増していくだろうし、それに伴って望ましい法規制や人事管理が変化していくであろうことは間違いない。

 

【著者登壇イベントのお知らせ】 雇用・人事にご関心をお持ちの方へ
有斐閣シンポジウム『これからの雇用政策と人事』 (※有料)
  日時:2014年2月5日(水)18:30~ @東京商工会議所 国際会議場

記事にあるような労働市場の変化を見越して適切な対応を考えるには、さまざまな分野からのアプローチが必要です。シンポジウムでは、経済学者・経営学者・法学者が一堂に会して、変化する経済環境の中で望まれる雇用政策や人事のあり方について議論が行われます。

 

 

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