依存症だった私が30日間「スマホ断ち」した結果 なんと1日101回も手を伸ばしていた
高級ホテルで、299ドルで「デジタルデトックス」ができるプランもあるし、週に1日、IT機器を一切使用しない日を設ける「デジタル安息日」運動に参加することもできる。
ありがたいことに、キャサリンの方法はもっと実用的だ。私はテクノロジー分野のコラムニストであり、仕事上、デジタル機器の使用を完全に断ち切ることは不可能だ。
1日平均101回もスマホを触っていた
キャサリンのプログラムは、そもそもスマホに手が伸びる感情的な誘引など、スマホ依存の根本的な原因に対処することに主眼を置いている。ポイントはインターネットやソーシャルメディアを断ち切ることではない。パソコンでフェイスブックやツイッターを使うことは認められており、厳しい時間制限もない。ただスマホがもたらす有害な習慣から脳を切り離し、よりよいものに結びつけるのだ。
プログラムを始めるに当たり、スマホの使用状況がわかる「スクリーンタイム」のデータをキャサリンに送った。それによると、その日の私のスマホ使用時間は5時間37分、触った回数はアメリカ人の平均の約2倍の101回だった。
「これは異常で、死にたくなる」とキャサリンに書くと、「この数字がちょっと恐ろしいのは確かね」という言葉が返ってきた。
キャサリンは私に、精神的な防御策を設け、スマホを手に取る前に一瞬立ち止まれるようにすることを勧めた。私はスマホに輪ゴムを巻いたり、ロック画面に3つの質問を表示させ、ロックを解除するたびに自問するようにした。「何のため?」「なぜ今?」「ほかに何かない?」の3つだ。
脳を回復させるには、何もしない練習をする必要があった。そこで、朝オフィスに向かって歩くときはビルを見上げ、これまで気づかなかった建築の細部に目をやり、地下鉄ではスマホはポケットにしまい、人間観察をした。ランチの待ち合わせに遅れた友人を待つ間は、ツイッターをチェックする代わりに窓の外を眺めた。