「電動自転車」の超進化が子育てママを救う理由 10万円超の高級品でもリピート需要が活発

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子乗せタイプではこのような自転車をベースに、子ども用のシートが前と後ろどちらにあるかで大きく2つに分かれる。フロントシートタイプは運転中などに子どもを見守れることがメリットだが、年齢が1~4歳に限られる。また、荷物用のカゴあるいはリアシートは後輪の上に据え付ける。子どもを2人乗せられるようにした場合、荷物を入れるスペースがなくなってしまうことになる。

対してリアシートタイプは1~6歳と年齢が広く、さらに、フロントシートを装着してもなお、前のバスケットが使えるなど、汎用性が高い。

ギュット・クルームはフロントシートタイプ(編集部撮影)

このうち、新しいモデルとして発売されたギュット・クルームはフロントシートタイプ。子どもを乗せるシートには、コンビのチャイルドシートのノウハウが詰め込まれている。“卵すら傷つけない”という衝撃吸収素材や、赤ちゃんの生えかけのやわらかい歯が当たっても傷がつかない、やわらかなグリップを採用するなど、小さな子どもの安全性に配慮。

また、子どもをシートに固定するベルトは、肩ベルトがシートから少し立ち上がった立体的な形に成形されているため、子どもの腕をスッと通して座らせられるのが特徴だ。ベルトの長さも座面下のボタンを押しながら引っ張るだけで調整できるため、じたばた暴れる子どもをスムーズに固定できる。さすが、コンビのノウハウにより、子育て現場の実際に即した設計となっているのだ。

そのほか、特徴的なのが電子キーだ。自転車をロックしている錠そのものは後輪に取り付けられているが、キーを持ってさえいれば、カバンなどから出さなくてもハンドル部の電源ボタンを押すだけで解錠が可能だ。ボタンによって解錠するのはキーが3m以内にある場合だけなので、基本的に盗まれる心配はない。

子乗せ自転車は「子育て必需品」の1つに

前述のシートと電子キーの双方を搭載したタイプは、定価で16万5800円となっている。12月3日に発売後、ギュット・クルームシリーズの売れ行きは「当初予想より2倍のペースで推移している」(東氏)とのことだ。

近年では子乗せ自転車は子育て用品の1つであり、子どもの通園の時期を迎えた親の多くが購入を検討するという。誰もが持つようになってきたので、見分けがつきやすいよう、カラーバリエーションを以前より増やしているそうだ。ギュット・クルームEXでは5色がそろえられている。

このように、パナソニックでは子乗せタイプにさらなる可能性を見いだしているようだ。

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