「電動自転車」の超進化が子育てママを救う理由 10万円超の高級品でもリピート需要が活発
最も売れ筋のタイプはショッピング用途の「ビビ」というモデル。いわゆる「ママチャリ」の電動自転車版で、最も価格が低いものが8万5000円と、お手頃な価格なのも人気の理由だろう。
「なかでもビビ・DXは当社で一番売れているロングセラーモデルです。電動自転車に求められる機能をバランスよく備えています」(パナソニック サイクルテック営業企画部の東裕介氏)
バッテリー容量16Ahで、最大約100km走行できるなどの基本性能に加えて、オプションのチャイルドシートを付けることにより、子乗せにも対応可能と汎用性がある。価格は11万0800円だ。
そして近年、顕著に伸びてきているのが子乗せタイプだ。12月3日に発売した「ギュット・クルーム」は、60年以上の歴史があるベビー用品メーカーのコンビとの共同開発により、使い勝手や子どもの安全性に徹底的にこだわった電動自転車とした。
「子乗せタイプの市場が急激に広がっているのはここ10年ほど。まだ発展途上で、自転車メーカーが子育てに10年ほど向き合えていないわけです。
これまでの製品は言ってみれば、『自転車に子ども用のシートを付けた』という印象が強いものが多かった。そこで、ベビー用品を通して経験とノウハウを有するコンビさんの協力をいただいたわけです」(東氏)
まず、子乗せ自転車の車体性能から説明すると、バッテリーは16.0Ahで、1回の充電で最大約80km走行することができる。車輪の径を小さくして車体の重心を低くしているのは、車体を安定させるためだ。電動自転車は車体だけでも30kg以上あり、子どもを乗せると100kgを超えることもある。バランスを崩すことによる転倒の危険性が普通の自転車より高いのだ。さらに、安全性と軽量性を備えた国産フレームを採用。小柄な女性でも乗り降りしやすいU字形状となっている。
厳しい安全基準を採用し、主要部品は内製
なお、一般的にはなかなかわかりにくいが、この国産フレームに加えて、モーター・バッテリーをパナソニックグループで内製していることが、パナソニック電動自転車の密かな売りとなっている。
「国内工場でフレームを1本のパイプから成型し、モーターやバッテリーなどの主要部品はパナソニックグループで内製しています。またパナソニックは非常に厳しい独自の安全基準を採用しています。やはりお子さんを乗せるということで、安全性へのニーズは高くなっています」(東氏)
そのほか、女性の力でも扱いやすいよう、テコの原理を利用して立てられるスタンドなど、細かい部分で省力化の工夫がなされている。
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