「電動自転車」の超進化が子育てママを救う理由 10万円超の高級品でもリピート需要が活発
対するブリヂストンでは、子乗せ、通学向け、ショッピング用途、シニア向けと4タイプの電動自転車をラインナップしている。
「動きとしては、子乗せタイプはもちろんですがシニア向けに注目が集まっている。免許返納などで移動手段を奪われた60~70歳の世代の方のニーズです。
クロスバイクや電動自転車に興味を持つなど、『自由に出歩きたい』という意思が強い印象を受けています。また、通学用途が伸びてきていると感じており、坂道の多い地方を中心に伸びていきそうです」(ブリヂストンサイクルマーケティング本部の室伏僚氏)
同社では高齢者の市場調査に力を入れているようだ。2018年9~11月の3カ月間、1都3県にてシニア向け「フロンティアラクット」の「出張試乗キャンペーン」を開催。新聞広告で呼びかけて希望者を募り、応募のあった家庭を訪問するというものだ。
「出張試乗は約170人に実施しましたが、『自由に出歩きたい』というニーズの強さと、60~70代など、比較的年齢が高い方の興味も高いことがわかりました。より安定性をアップさせるなど、今後の商品開発に生かしたいと思っています」(室伏氏)
前輪にモーターを設置した独自技術
ブリヂストンの自転車についても、車体の性能から説明していこう。独自の技術の1つ目に挙げられるのが「デュアルドライブ」だ。
一般的な電動自転車では、車体の真ん中にモーターが設置されており、人力と電力を後輪に伝えて動かす。対してデュアルドライブでは、前輪にモーターを設置。前輪は電力、後輪は人力で動かす。
どのように違うのだろうか。1つには、両輪に推進力があるので、走行安定性が高まる。また前輪ブレーキのアシストも行い、弱い握力でブレーキがかけられるほか、ブレーキをかけたときや、走行中、ペダルを止めたときにモーターが勝手に充電し、省エネ走行ができる。これにより、バッテリー残量が最大28%回復するほか、こまめに充電することでバッテリーへの負担を軽くし、バッテリーの寿命を延ばすことにもつながるという。
副次的には、モーターを中央に付ける必要がないので、フレームの高さがより低くなり、またぎやすくなるメリットもあるようだ。
独自技術の2つ目は、チェーンの代わりに樹脂製のベルトを採用したことだ。何かの拍子にチェーンが外れ、直そうとして手がオイルでべとべとになってしまった経験はないだろうか。ズボンの裾がチェーンに触れ、汚れてしまうこともある。ベルトドライブはさびないので注油もいらず、外れることもないため、メンテナンスがラクになる。軽いので、車体の軽量化にもつながる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら