「電動自転車」の超進化が子育てママを救う理由 10万円超の高級品でもリピート需要が活発

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さて、このように車体の機能を追求したブリヂストンは、子乗せタイプとして、「ビッケ」と女性誌とコラボした「ハイディ ツー」の2種類をそろえる。バッテリーは14.3Ah相当で1充電当たりの最大走行距離は種類によって異なり、78~88km。それぞれオプションなしの基本タイプで14万8800円、15万4800円だ。特徴的なのが、全車種を「3人乗り対応」としていることだ。

オプションでフロントシートかリアシートを付けることで、子どもを2人乗せることができるようになる。フロントシートは1~3歳あるいは4歳までという年齢制限があるが、1人目のときに購入した車体は2人目の通園まで長く使えるのがポイントである。

子乗せタイプでさらに工夫されているのが、前輪の径を後輪より大きくしていることである。子どもの乗せ降ろしがラクになるよう後輪を低くするために20インチとし、前輪のみ24インチの車輪を採用することで、安定性を高めた。

スピードが速いほど安定するという「ジャイロ効果」により走行時の安定性がアップし、段差やデコボコ道での乗り越え力にも優れるという。ビッケシリーズでは、前輪と後輪とをほぼ同じサイズにし、より安定性の高い「ビッケ ポーラー e」(14万3800円)もラインナップされている。

「テモトデロックⅡ」は、自転車を停止して、ロックしてから降車、スタンドを立てるといった流れに(編集部撮影)

その他スタンドの形状など、非力さを補う工夫はパナソニックと同様にこだわっている。パナソニックと異なるのが、停車時にハンドルがぐらぐらしないようにするロック機能。パナソニックでは、スタンドを立てた時点で自動的にハンドルロックがかかるが、ブリヂストンでは、手元でロックできるその名も「テモトデロックⅡ」を採用。これだと自転車を停止して、ロックしてから降車、スタンドを立てるといった流れになる。

「スタンドを立てるまでの間にぐらぐらしてしまい、自転車ごと転倒してしまう危険がありますので、この方式を採用しました」(室伏氏)

機能だけでなく「おしゃれさ」にも力を入れる

このように、商品づくりがややメカニック寄りで“理屈っぽい”イメージがあるブリヂストンだが、こだわりはそれだけではない。“おしゃれさ”にも力を入れているのだ。

「デザインは非常に重要だと思っています。メカニックのこだわりは外から見てわかりにくく、特に女性のお客様などにはアピールしにくい。また自転車というと『ダサい』と言われてしまうイメージがありますよね。そのイメージを変化させるような自転車をつくりたいと思っています」(室伏氏)

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