30代新婚夫婦が「友人の同居」を大歓迎するワケ

赤ちゃんの世話を話し合う3人組の関係は…

家族構成は「新婚夫婦+おなかの子+友人男性」。そんな人々の暮らしとは?(イラスト:Masami Ushikubo)
『家族無計画』『りこんのこども』などで人気を博するエッセイストの紫原明子さん。この連載でつづるのは、紫原さんが実際に見てきたさまざまな家族の風景と、その記憶の中にある食べ物について。紆余曲折あった、でもどこにでもいる大人たちの過去、現在、そして未来を見つめる物語です。

妊娠、夫の婿入りという急展開

ある日、仕事をサボってInstagramのストーリーを眺めていると「今から母親学級、緊張〜!」というコメントとともに、どこかの建物の入り口らしい写真が流れてきた。何気なしに画面左上に表示される投稿者を確認し、えっ、と声が漏れる。ファッションブランドのPRとして働いている、私より3つ年下の友人A(33歳)だ。

彼女と最後に会ったのは8カ月ほど前で、そのときには妊娠の話題なんてまったく登場しなかった。驚きつつお祝いのメッセージを送ると「そうなんです! 私、母になります!」という元気な返事。せっかくなので出産前にランチでもしておこうとなって、それから約1週間後、都内で再会を果たした。

紫原明子さんによる新連載。この連載の一覧はこちら

Aのお腹はすっかり大きくなっていた。すでに性別も判明していて、予定日は4月下旬だという。

「夫とは6年くらい付き合ってたんです。ここ数年は一緒に住んでたし、そろそろ結婚してもいいと思ってました。子どももできるだけ早く欲しかったし。だけど仕事の関係上、名字が変わるのは面倒だったので、あくまでも事実婚でいこうと話してたんです。なのに妊娠がわかった途端、私の父がどうしても籍を入れろとうるさくて……」

Aの両親はともに大学で教鞭を執る研究者だ。海外生活も長く、高齢とはいえ比較的リベラルな思想の持ち主。自分たちのやり方にもきっと理解を示してくれるだろうと考えていたが、事はそう簡単ではなかった。

Aは説得を試みたというが、最後は父親に根負けし、夫がAの実家の婿養子に入る形で入籍。当初の予定通りとはならなかったものの、両親と夫との関係は良好だそうだ。

次ページおもむろにスマホの画面を…
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
トレンドライブラリーAD
人気の動画
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
スバリスト、トヨタ購入者とまったく異なる嗜好
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
実家が迷惑施設化「7戸に1戸空き家」日本の大問題
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
持たざる国・日本に大激震<br>エネルギー危機が来る

脱炭素の移行期に化石燃料の争奪戦が勃発。天然ガスの価格は歴史的な急騰を記録しました。余波はサプライチェーンの混乱から世界経済の後退懸念、原発待望論まで広がります。資源小国の日本が生き残る道はあるのでしょうか。

東洋経済education×ICT