高齢被災者の住宅再建、「災害リバモ」で後押し

修繕に画期的な融資制度、拡大のカギは?

災害リバモの活用では、ボランティアや弁護士などとの連携が決め手に(災害リバモ活用のためのカウンセリング相談の様子)(写真提供:チーム王冠)

「8年ぶりに自宅の風呂に入ることができた。夢のような話です。それもこれもみんな、お膳立てをしてくれたボランティアさんのおかげです」

宮城県石巻市の70代女性が笑顔を浮かべた。

8年前の3月11日、床上1メートルほどの高さの津波が押し寄せ、女性宅は「大規模半壊」の被害を受けた。資金の制約から修繕できたのはわずか2部屋。風呂も使えない不自由な暮らしが8年近くも続いた。

存命中は利子だけを払えばいい

そんな境遇が大きく変わるきっかけとなったのが、住宅金融支援機構が創設した「災害復興住宅融資(高齢者向け返済特例)」(通称、「災害リバモ」=災害リバースモーゲージ)の活用だった。震災発生以来つながりのあったボランティア団体「チーム王冠」代表の伊藤健哉さんから、「高齢者を対象にした融資制度がある。存命中は、毎年、利子だけを払えばいい」と教えてもらったのがきっかけだった。

女性は最初は半信半疑だったが、伊藤さんらボランティアの助けを借りつつ、夫とともに修繕資金の融資を申請。石巻市の住宅再建のための補助金も活用して風呂やキッチンなどの修繕が震災8年後に初めて実現した。災害リバモの毎月の利息の支払いは3000円程度。夫婦の年金から何とか支払うことができる金額だという。

災害リバモが登場したのは、2017年1月。「前年の熊本地震で、高齢被災者の住宅再建の課題が顕在化した。国からの要請に基づき、もともと住んでいた土地での住宅再建に資する制度として創設した」。住宅金融支援機構の佐藤綾子・団信・個人業務部災害融資グループ調査役は、災害リバモ誕生のいきさつをこう説明する。

災害リバモの融資条件はきわめて異例だ。対象者は60歳以上の高齢者。熊本地震や最近の水害などの大規模自然災害のみならず、東日本大震災の被災者も利用できる。

借入人が存命の間は利息だけ払えばよく、死亡時に担保不動産の売却によって元本を返済する。残った債務については相続人に請求しない。一方、元金を返済すれば、相続する子どもが自宅を持ち続けることもできる。

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