結婚5年で別れた銀行員が妻から受けた壮絶DV 殴る、蹴るはもちろん罵倒、監視、締め出しも

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「これ以上やるんだったらやり返す。だから、お願いだからやめてくれ」。懇願したが、桃子さんは容赦なく敦さんの足に蹴りを入れてきた。そこで、敦さんは2発だけ桃子さんの足を蹴った。

翌日、仕事から帰宅した敦さんに、桃子さんは1枚の書類を突きつけた。それは、医師の診断書だった。

「『あなたは私に対して暴力を振るった。だからこれからは、私がいくら暴力を振るってもお互い様だ』と言うんです。妻は、そういう面では頭が回って、行動力があるんです。暴力を受けている最中は、おかしいとか理不尽だという感情があるんですけど、不思議と慣れるんですよ。何を言っても最終的には、暴力が待っているので、徐々に相手を非難する気持ちがなくなってくる。DVの被害女性と心理はまったく同じだったと思います」

当然ながら、力は敦さんのほうがあるため、動きを一時的に制止することはできる。「お願いだから暴力はやめてくれ」と、腕を押さえつけると、一旦は「わかったから離せ!」と桃子さんは言うもののも、離すとすぐに平手が飛んでくる。一度やめても結果は同じなので、無力感に支配され、なされるがままになってしまうのだ。

子どもが生まれて潔癖になった

子どもが生まれてから、桃子さんは、神経質になった。次亜塩素酸とアルコールの消毒液を大量に買い込むようになり、疲れて帰宅すると、すぐに手を洗うことを強要された。1分でも遅れると、お腹を殴られた。

「子どもが生まれてから異様に、潔癖になりましたね。暴力に耐えかねて、僕が玄関に逃げようとすると、腕をつかんで監禁しようとする。ギリギリと、皮膚が裂けていくんです。血が出ます。めちゃくちゃ痛いんですよ。肉が裂けるって、こんな感じなんだなと思いました。腕のひっかき傷がすごすぎて、夏場なのに長袖で隠して出勤していたこともありました」

敦さんは桃子さんの暴力がひどくなるたびに、恐怖感から、家を出ていかざるをえなくなった。暴力に耐えかねて、敦さんが部屋の外に逃げようとすると、桃子さんは追いかけて、敦さんの腕をつかみ、爪を食い込ませ、必死に妨害した。メリメリと皮膚が裂けて、血が出るのがわかった。腕はミミズ腫れになり真っ赤になった。

なんとか振り切って逃げ、マンガ喫茶で一晩を過ごした。翌朝敦さんが家に戻ると、マンションのチェーンロックをかけられていて、中に入ることができなくなっていた。

「こっちは出勤時間も迫ってるし、早く着替えて会社に行かなきゃいけないんです。とにかく入れてくれ、謝るから入れてくれと言うしかない。そしたら『え?何に対して謝ってるの? それ、本気で謝ってないよね?』と、押し問答が始まるんです」

雪が降りしきる冬の日でも、敦さんは、何時間もドア越しに桃子さんと話をしなければならなかった。そんなことが幾度となく繰り返された。

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