結婚5年で別れた銀行員が妻から受けた壮絶DV

殴る、蹴るはもちろん罵倒、監視、締め出しも

その後、敦さんのLINEのアプリは抹消され、FacebookなどのSNSをすべて禁止すると言い渡された。少しでも反抗すると、殴られるようになる。敦さんは友人と連絡を取ることすらできず、徐々に孤立していく。それまでは、お互い下の名前で呼んでいたが、桃子さんの怒りが激しくなると、「オメー」と罵倒されるようになる。会社と親族以外の人間関係をほとんど絶たれ、桃子さんの支配はますます強くなっていった。

いつも暴力のきっかけは些細なことだった。

「とにかく何に対しても突っかかってくるんです。例えば洗濯物を干すときに、洗濯ハサミの留め方が気に入らないと言うんです。日々の家事でそこまでクオリティにこだわってたら大変だよと諭すと、『ふざけんなよ。お前が私のいうこと聞けばいいだけだろ! なんでいちいち説明しないとわかんねぇんだよ!』と突然ヤンキー言葉になって、平手が飛んでくるんです」

歩く音が気に入らない、靴の並べ方がおかしい、食器の並べ方が変、しまいには、子どものおむつのテープの位置が1センチずれていただけで、平手が飛んでくるようになる。仕事から帰ってきて、疲れてリビングの椅子に座っているだけで、桃子さんはすさまじい形相で、怒りをぶつけてくる。

「椅子に座ってるだけで『すぐに立って、子どもをお風呂に入れろ!』と怒られるんです。悪いけど、疲れてるから1分だけ座らせてくれと言ったら、『そんな時間ねーよ!』と絶叫しながら、ミドルキックが入るんです。ぐぇっとなりますね」

食器かごの食器の並べ方1つとっても、いら立ちの対象になった。

「コップや、皿の並べ方にこだわりが強くて、それが少しでも狂うとブチ切れるんです。『なにこれ? 前に教えたよね。あんたの食器の並べ方はおかしいから。なんで何回も言ってんのに覚えることができないの!』といきなり、足を蹴られるんです」

バカ、デブ、てめー、醜い、汚い、臭い、ゴミ、くず、役立たず、疫病神、死ね。ありとあらゆる罵りの言葉が、桃子さんの口からは飛び出し、奴隷状態だった。

なぜやり返さないのか

あまりにも桃子さんのDVがひどかったので、敦さんが大学時代の親友に相談すると、アドバイスをくれた。

「お前、なんでやり返さないんだよ。お前が反撃しないから、妻がつけあがってDVがひどくなるんだよ。1回やり返せば、もうやらなくなるよ」

それもそうか、と敦さんはハッとした。敦さんは、それまで暴力に対してなすがままになっていた。これまで一度も女性に暴力を振るったことはなかったし、反撃という考えも浮かばなかった。女性への暴力は嫌悪感しかなかったが、致し方ないかもしれない。

翌日、桃子さんに20発ほど蹴りを入れられたところで、ふと反撃を思い立った。

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