結婚5年で別れた銀行員が妻から受けた壮絶DV 殴る、蹴るはもちろん罵倒、監視、締め出しも

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ある夜、暴力に耐えかねて家を出た後、帰宅した敦さんに対して、桃子さんは「今日、東京タワーにいたでしょ?」とそれまでの居場所を言い当てた。確かに、家を出た後、東京タワーの近辺で時間を潰していた。しかし、なんで自分の行動がバレているのだろうか。桃子さんに問いただすと、妹がそこでバイトしていて、偶然敦さんを見かけたと言う。しかし、そんな偶然はありえないと思った。よく考えると、最近会社での行動がやたら、桃子さんに把握されている。敦さんは、ハッとした。

「以前妻が僕のアップルIDとパスワードを教えろと言うので、教えたことがあったんです。僕のスマホには、アイフォンを探すというアプリがあって、これを使うと、家族の居場所もGPSで検索できるんです。元妻はGPSの位置情報を使って、僕をつねに監視していたみたいです。ゾッとしました。完全に支配をしたいんだ。僕をコントロール下に置きたいんだなというのをすごく感じましたね」

右利きを強要

いちばんつらかったのは、左利きの敦さんが、右利きを強要されたことだ。

「元妻は、『ご飯は左手ではしは右手に持つのが、日本では決まってる。右利きは世間の常識だ』と言うんです。『子どもの教育上、右利きを守れないのはよくない』。だから、僕にも『左利きを直せ』と強要されたんです。だけど、直すのは無理なんですよ。努力はしましたが、無意識で30年間やってきたことを直すのは大変で、ちょっと気を抜いただけで自然と戻っちゃうんです」

ご飯茶碗と味噌汁を逆に置くと、鬼のような形相で睨みつけられた。そして、「あなたは何回注意しても守れない。言ってわからないんだったら、罰を与えるしかない。1回決まりが守れないごとに罰を与える」と怒鳴られ、すさまじい勢いで平手が飛んできた。植物用の霧吹きで顔面に水を掛けられるという罰もあった。

「言うことを聞かない動物に対して、調教しているのと完全に同じなんです。一応、僕も『何をするんだ!』と抵抗するんですが『しょうがないじゃん。できないお前が悪い。お前は1回教えてもわからないんだから』と言われるんです」

桃子さんによるDVは、深夜2時、3時まで長時間に及んだり、夜通し続いたりすることもざらだった。

産休から育休の期間、仕事を休んで昼夜逆転の生活を送っている桃子さんは、平日の夜に口論をけしかけてくることが多かった。昼間も仕事をしている敦さんにとって、それは地獄のような時間だった。

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