花粉飛散量と症状の強さ、実は一致しない理由 花粉症と天気予報との深い関係

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花粉症の本格的なシーズンが到来。きめ細やかな花粉症の予報を行う大手気象会社のウェザーニューズに予報のあれこれを聞いてみました(写真:あんみつ姫/PIXTA)

厳しい冬が終わりに近づき、暖かい日が増えてきました。春の訪れはうれしいものですが、多くの人を悩ますものが花粉症です。

朝のニュースの天気予報や、天気予報アプリに花粉情報が掲載されるくらい、花粉の飛散と天気には密接な関係があります。しかし、意外なことに気象庁では花粉飛散量の予報は行っていません。花粉飛散量の予報を行うのは環境省と民間の気象会社なのです。

どのようにして花粉飛散量の予報をするのでしょうか。「花粉プロジェクト」という名できめ細やかな花粉飛散量および症状の予報を行う、大手気象会社のウェザーニューズに聞いてみました。

花粉症はどう予報する?

なぜ、民間気象会社が花粉症の予報を行うようになったのでしょうか。ウェザーニューズのBtoS事業コンテンツ運営主責任者である森田清輝氏によると、「ウェザーニューズでは、『お客様がほしいのは天気予報ではない。今日は傘が必要なのかどうか、洗濯物を干せるのかどうかが知りたいのだ』という考え方が情報発信のベースにあります」。

もともとウェザーニューズには、航空機向けの天気予報を長年配信してきた実績がありました。航空機には火山灰が大敵です。火山灰の中の鉱物が機内に侵入すると、故障につながるからです。だから、風のシミュレーションを行い、火山灰が飛散する方向を正確に予想しなければいけません。そして、花粉も火山灰と同様に風に乗って運ばれるものです。そこで、航空機向けの天気予報のノウハウを応用させて、花粉症の予報を始めたというわけです。

さて、花粉症の予報は大きく二種類あります。まずは、毎年シーズン前に発表される「今年の花粉の飛散量は多いのか、少ないのか」という長期予報。そして、「今日は花粉がたくさん飛んでいるかどうか」という短期予報です。

長期予報の算出根拠は、大きく2つあります。1つ目の根拠は、前年の夏と秋の天候です。スギの雄花は前年の夏に作られます。そして、前年の夏に晴れの日が多いほど植物の光合成が盛んになり、花粉を出すスギなどの雄花が成長する傾向にあります。

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