大河「いだてん」からそれでも目が離せない理由

視聴率では測れない「情報洪水」の快感

最後に、テレビとスマホ(ネット)の関係論に戻る。ここ数年のテレビ界は、スマホとの「競争」ではなく、「共存」を図ってきたように思える。その象徴が、ニュース番組などにおける、番組指定のハッシュタグ付きツイートを画面に流す演出だ。

スマホやネットは、テレビの敵としてはもう強大になりすぎた。だとしたら、テレビとスマホの「ダブル・スクリーン」を前提として番組を作ろう、ということだろう。

しかし私=52歳の(元ではなく現)テレビ好きは、「共存」戦略ではなく、「競争」戦略の可能性も残っているだろうと、まだ信じている。SNSや動画サイトからは流れてこない、ヒト・モノ・カネ・ジカンをたっぷりと費やした極上の国民的コンテンツで、テレビが、スマホを圧倒できる可能性があると、まだまだ信じている。

「いだてん」と、同じく日曜夜に放送されている、情報密度の高いドラマ=日本テレビ系「3年A組-今から皆さんは、人質です-」も、「スマホをいじりながら見ることができないドラマ」という一点において、「競争」戦略への可能性を十分に漂わせている。

「情報洪水」の中でテレビはどう生き残るか

少し古い資料になるが、総務省の『情報流通センサス報告書』(平成18年度)によれば、平成8年度(1996年)に対する平成18年度(2006年)の情報流通量は10年間で530倍になった。では、スマホとSNSの爆発的普及を経た平成最終年など、何倍に膨れ上がっているのだろう。見当もつかない。

その中で、テレビはどう生き残るか。そのための最もストレートな方策が、ヒト・モノ・カネ・ジカンを費やして生み出された、圧倒的な質・量・速度の情報で、ほかの情報を遮断してしまうことではないか。

休日を締めくくる夜に、テレビから溢れ出す「とつけむにゃあ」(とんでもない)な「情報洪水」――日曜夜の皆さんは、テレビの人質です。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。