大河「いだてん」からそれでも目が離せない理由

視聴率では測れない「情報洪水」の快感

2019年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の主役に起用され、記念撮影する(左から)阿部サダヲさん、中村勘九郎さん。右は脚本の宮藤官九郎さん。写真は2017年(写真:共同通信社)

鳴り物入りで始まったNHK大河ドラマ「いだてん」だが、予想外に視聴率が伸び悩んでいる。

初回から5回までは15.5%→12.0%→13.2%→11.6%→10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という視聴率で推移しており、確かに苦戦している。

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しかし、同じく宮藤官九郎脚本で、同じく、高視聴率とはいえなかった朝の連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)のように、熱狂的に盛り上がっているファンも多いようだ。

では、この「段差」は、どこから生まれてくるのだろう。

今回はその謎を、「いだてん」の独特の魅力構造から探っていくこととする。

「いだてん」最大の魅力は「情報洪水」

「いだてん」の最大の魅力は、「画面からあふれ出す情報の洪水」にあると見る。時制(明治と昭和)と視点(金栗四三、嘉納治五郎、古今亭志ん生、美濃部孝蔵=若き志ん生)が、くるくる入れ替わる実に忙しい脚本。その脚本を彩る、次から次へと登場する途方もない数の有名俳優たち。とにかく情報が絶え間なくあふれ続ける、息をもつかせないドラマなのである。

また、これまでの宮藤官九郎脚本にありがちだった緩い「小ネタ」が少なく、その分、史実に関連した情報が上乗せされ、情報量はさらに積み重なっていく。

実際に私が見て感じた第一印象は「スマホをいじりながら見ることができないドラマ」というもの。初回、感想などをツイートしながら見ようと思ったのだが、スマホをちらっと見ている間に、画面は大きく転換し、別のシーン、別の人物に入れ替わるのだ。

「スマホをいじりながら見ることができない」という意味では、毛色は違うが、年末恒例のテレビ朝日系列「M-1グランプリ」に近いものがある。M-1も、少なくとも漫才が進行する4分の間は、決してスマホをいじることができない。

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