そして、新卒で都内の幼稚園に就職した。一般企業への就活と違い、幼稚園への就活は併願ができないという。学校に求人情報の掲示があったのでそれを見て直接応募した。その園に決めたのは、見学に行った際、子どもたちがのびのびと遊べる環境だったからだ。
「新卒で入った幼稚園は、月給が手取りで17万~18万円でした。1人暮らしでしたが、ボーナスでなんとかまかなえた感じです。そして、実家を出てルームシェアし、家賃は3万円負担しました。そのルームシェア期間は2年間続きました」
その後、引っ越して1人暮らしを始めた。家賃は6万3000円。当時の年収は350万円。生活はそこまで苦ではなく、貯金も毎月2万円ほどできていた。
「でも、切り詰めてもいいものをつい買っちゃうんです。例えばドラッグストアだったら数百円で買えるシャンプーでも、ロクシタンのちょっと高級なシャンプーを買っちゃうとか。ちょっとだけご褒美のようなぜいたくをしたくなっちゃうんですよね」
日本の保育業界の構造に疑問を持ち転職
友子さんは2年間幼稚園に勤めたが、トップの考えや仕事自体が合わないと感じ始め、退職。まったく別の仕事をしようと転職活動を始めた。しかし、友達に相談すると、「子ども関係の仕事をやめないほうがいい。もっと子どもの発達に関われるところがいい」と、公立の保育園を勧められた。公立保育園は民間よりも待遇がいい。
友人の助言を受け、公立保育園を受けるために1年間フリーターをしながら資格を取る勉強を開始。無事、都内某区の保育園に採用された。民間の幼稚園勤務の頃は朝5時には家を出て8時から勤務で土日も隔週で出勤だった。しかし、公立保育園に勤務してからは一気に休みも増えた。趣味のスノーボードや演劇を観に行く時間も取れるようになった。さらに、年収は450万円までアップした。
「保育関係の職は給料の安さが話題になることもありますが、場所にもよります。それに、公立保育園は公務員で年功序列なので、上にいる人間だけがぽんとお金をもらっている働き方です。そのあたりから日本の保育業界に疑問を持ち始めて、これは外部からアプローチしたほうがいいのではないかと、4年勤めて退職しました」
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