30歳「保育の世界」を外から変えたい彼女の理由

私立から公立へ転職して待遇は良くなったが

最近、小学校で「生まれたときの様子や、つけてもらった名前の由来をおうちの人に聞いてまとめましょう」といった内容の宿題が出ることがあり、全員が全員、親に愛されて育った家庭とは限らない、この宿題に傷つく児童もいるとTwitter上で波紋を呼んでいるのを見かけた。筆者も小学生の頃、同じような宿題が出て「お母さんから一言」の欄が、父子家庭の児童のプリントだけ修正ペンで消され「おばあちゃんから一言」と教師が書き換えていたのを覚えている。

また、筆者が通っていた小学校では、参観日や運動会などの学校行事も、仕事などで家の人が来られない場合、クラスメイトの家族と一緒にお昼を食べたり、親が来られない児童だけ教室に集められて弁当を食べていたりしたような記憶がある。友子さんの場合、母親の仕事で学校行事への参加が困難な場合、祖母や親戚が来てくれたという。

「お小遣いに関してはあまり覚えていないのですが、小学生の頃は欲しいときに必要な額をもらい、駄菓子や漫画雑誌の『りぼん』などを購入していました。おそらく数百円程度ですよね。そして、クリスマスプレゼントにシルバニアファミリーを買ってもらった覚えもあります」

友子さんは中学に上がると月に2000~3000円のお小遣いをもらい、プリクラを撮ったり、ファストフード店で友人とおしゃべりをしたりして過ごした。運動が得意だったので、運動部にも所属し、楽しい学校生活を送っていた。

「でも、母子家庭となるとやはり現実的に経済面では進学先の選択肢が限られてきて、授業費の負担の少ない県立や公立を受けることになります。

塾の先生からは、もう少し上の偏差値の学校でもいけるのではないかと言われたのですが、公立は併願受験ができないため、念のため、自分の本来の学力よりも偏差値を10ほど落とした公立校を第1志望にして受験し、合格しました」

高校時代は週1回、飲食店でバイトをしながらも部活と両立した。バイトが苦痛と思うことはなく、「楽しく働いてお金までもらえてラッキー」という感覚だったという。バイト代は定期代や部活で必要な道具、バイト仲間と遊ぶ費用、服や化粧品に使った。しかし、高校時代の部活ではケガが多く、あまり成績は振るわなかったモヤモヤ期であったとも語った。

バイト掛け持ちの学生生活から、幼稚園教諭へ

進路を決める時期がやってきた。昔から子どもと関わる仕事がしたいと思っていたが、小学校よりももっと前の発達段階の子どもに興味があった。また、自分が保育園育ちであったことが大きく、幼稚園教諭を目指すことにした。進学先は短大か専門学校かで悩んだが、ちょうどそのとき、評判のいい専門学校を見つけ、そこへ進学した。

「専門学校は都内だったので、自宅から1時間ちょっとかけて通いました。そして、飲食店、テーマパークのお土産屋、夜は居酒屋のバイトを掛け持ちしていました。居酒屋のホールで12時間夜通し働いたこともありました。今思うと若くて体力があったからこなせていたのだと思います。月12万~13万円稼いで、主に遊びに使っていました」

四年制大学と違い、専門学校は講義がみっちり詰まっているうえに、幼稚園、保育園、児童養護施設などの実習もある。泊まり込みの実習はまだ体力的な余裕があったが、少し離れた実習先に通っていた際は、帰宅後に実習記録を書き、翌日の準備をしていたら睡眠時間が30分しか取れないこともざらにあった。

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