30歳「保育の世界」を外から変えたい彼女の理由 私立から公立へ転職して待遇は良くなったが

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そして、今勤務している会社は冒頭でも述べたように、知人の紹介で入社した保育園運営会社だ。もともとは介護事業をやっていた企業だったが、ここ最近、保育にも参入した。

入社してすぐは、立ち上がって間もない新園の保育補助を行っていたが、今はオーナーさんとの打ち合わせ、役所の協議などに社長と同席、保育士の自社採用や人材紹介など、主に営業も含めた仕事も行っている。月給は25万~26万円。ボーナスはないが、営業の成績がよければインセンティブが入る形だ。

「今住んでいる部屋は都内で8万6000円。以前勤めていた園の近くで、当時は家賃補助が出ていたからちょっとお高めなのですが、今の給料ではちょっときついですね……。

スマホは格安SIMで月4000円ちょっと。奨学金も月数千円ずつ返済しています。家賃で収入の3分の1がとんでいき、そこから月換算にすると1万5000円の保険料、そして食費で3万円。お昼は同僚の人におごってもらったり、保育園にお邪魔した際に給食をもらったりして節約することもあります(笑)」

将来のことも考えて働きながら通信の大学にも

友子さんは今、将来の心配から通信の大学に通っている。働きながらリポートを書き、スクーリングや試験も受けている。しかし、あまりの多忙さに卒業できないかもしれないという不安も抱えている。

「今、貯金は100万円ちょっとです。恋人が欲しいとも思わないし、結婚願望もありません。けど、人生のパートナーは欲しいかなぁ。仕事で、ある程度インセンティブが入ればそれでいいかなと思っています。今は新しい会社に就職したばかりで、とにかく経済面が不安定なんです。インセンティブが入るのは6月くらいだし……。それまでは少しキツイので、実は今、ベビーシッターの副業もしているんですよ」

昔は新卒で入った会社に定年退職するまで勤め上げるのが当たり前であり、それが会社への忠誠心でもあった。しかし、時代は変わり、今の20~30代は転職に対して前向きに捉える傾向がある。

友子さんは「子どもに関わる仕事」を別の視点から支える仕事へチャレンジ中だ。今後、どのような道を歩んでいくのか、興味深いところである。

姫野 桂 フリーライター

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ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

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