母子家庭のため、進学先が限られていた
今回、話をうかがったのは、元幼稚園教諭・元保育士で、現在は保育園運営会社に勤務中の友子さん(仮名)。保育や介護の現場は激務のわりに薄給だと社会問題になっている。ネット上でも「20年近く保育士をやっていてもこの給与。身バレ覚悟で給与明細をさらします。給与形態を見直してほしい」という内容の投稿とともに、月給18万円ほどの給与明細の画像を見かけたことがある。
元幼稚園教諭で元保育士の友子さんも、切り詰めた生活を強いられていたのだろうか。待ち合わせ場所のカフェに現れたのは、いかにもキャリアウーマンという出で立ちの清潔感あふれる黒髪の女性だった。筆者の完全な偏見であるが、保育業界に関わる人は子ども好きなイメージがあった。しかし、友子さんは「特別子どもが大好き!」というわけではないらしい。
友子さんの生まれは関東近郊の某県。母子家庭で物心ついた頃にはすでに父の存在はなかった。離婚なのか死別なのか、いまだに母に教えてもらったことはない。
「母子家庭なので特別裕福というわけではありませんでしたが、食べることに困るほど困窮した覚えはありません。でも、周りの子たちは幼稚園に通っている中、私だけは母の仕事で遅くなってしまうので保育園。だから、幼稚園への憧れがあり、のちのち幼稚園教諭を目指したのだと思います」
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