30歳「兼業主婦子持ち」の彼女とお金のリアル 決められたことを決められた通りにやりたい

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等身大の人の生き方にこそ、多くの人が共感する現代のリアルがあります(筆者撮影)
30歳という年齢を一つの節目と考える人は多い。10年前は学生だった人が、一人前の社会人となっていたり、結婚して家庭を持っていたり、中には独立して会社を経営していたり、フリーランスとして活動していたりする。それぞれの生き方の違いが、少しずつ出始める年齢といえよう。
今年の30歳は1987年、1988年生まれ。彼ら、彼女らは昭和生まれ最後の世代。物心ついたときにはバブルが崩壊し、その後は長い不況にさらされる。また、「ゆとり世代」のはしりでもある。就職活動を始める時期にはリーマンショックが起こり、高学歴なのに内定がないまま卒業した人もいる。
そんな景気が良い時代を知らない現在の30歳は、お金に関してどんな価値観を抱いているのか。大成功している人や特異な人ばかりについ注目が行きがちだが、等身大の人の生き方にこそ、多くの人が共感する現代のリアルがある。そんな30歳とお金の向き合い方を描き出す連載の第1回。

相対評価から絶対評価に変わった恩恵を受けられた

エリカさん(仮名)は神奈川県出身。会社員の父と専業主婦の母のもとで育ち、5歳上の兄がいる。きょうだい仲は良い。小学校に上がると母親がパートに出始めたが、家庭が困窮していたわけではなく、お小遣い稼ぎのためだったのではないかと語る。エリカさんは3年前に結婚。昨年出産して育休をとり、この4月から1年10カ月ぶりに仕事に復帰。金融関係の一般職で時短勤務している。

本記事は連載の第1回です

エリカさんは自身の子ども時代をこう振り返る。

「小学生のときって運動ができる子がクラスの人気者。私は運動があまり得意じゃなかったので、中間層のグループにいました。公立の中学校も家から歩いてすぐ側だったし、クラスでも中学受験する子は少なかったので、中学受験を考えたことはなくて、公立の中学校に入学しました」

中学校では吹奏楽部に入り、コントラバスを担当した。この楽器を選んだ理由は、入学式で先輩たちが演奏している様子を見たとき、大きくてカッコ良く見えたのと、購入が強制ではなく、部に借りられるという理由からだった。

「サックスやフルートは買わなきゃいけませんでした。ピンキリですが、買うと20万~30万円します。また、コントラバスは人気がなかったのですぐに希望が通って私の担当に決まりました。練習は毎日ありましたが、頑張り方の方向性を間違えていたのか、部としては弱かったです(笑)」

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