30歳「兼業主婦子持ち」の彼女とお金のリアル 決められたことを決められた通りにやりたい

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子どもが生まれてしばらくした頃、体の不調が原因でうつ病を患っていたエリカさんの母親が自死した。昼過ぎ、家に母親がいないことに気づいた父親が警察に連絡。しかし、エリカさんとエリカさんの兄が母親の訃報を聞いたのはその日の夜だったため、「なぜもっと早く連絡してくれなかったのか。早かったら別の道があったかもしれない」と、父を1度だけ責めた。

でも、怒ったところでどうにもならないので、それきりだ。母親は彼女が幼い頃からメンタルの調子が悪い日があり、「今反抗してしまうとお母さんがダメになってしまう」という思いからか、反抗期がなかった。生前の母親の希望で、半分は海に散骨し、半分は墓に入れた。

決められたことを決められた通りにやりたい

「旦那は時間の融通が利く仕事なので育児を手伝ってくれるし、つわりがひどいときや出産直後は宅配弁当を取ってくれて、『家事をしろ』と言われたことはありません。そしてつい最近、子どもを保育園に預けて育休から時短勤務で仕事に復帰しました。今後、子どもにもっとお金がかかるようになるし、旦那は『もうひとり子どもが欲しい』と言っています。

でも、私はフルタイムに戻したくないです。フルタイムに戻すと残業が発生しちゃうし……。私は決められたことを決められた通りにやりたいんです」

エリカさんは家庭のお金についてこう語る。

「私は今の生活に満足しています。わが家の貯金は旦那が管理しているのでいくらあるのか知らないし、そもそも興味もありません。でも、私個人のへそくりは少しだけあります。家を買ったときに使ったので、減ってしまい今は150万円くらいですが。もし、仮に離婚することになったときに持っていける金額はこれだけです。たったこれだけでは、家を出ていってもどうにもならないですよね」

淡々と語るエリカさん。それが彼女の生きやすい方法であるとも捉えられた。

姫野 桂 フリーライター

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ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

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