中学の成績は良かった。しかしこれは、周りのレベルが低かったからではないかとエリカさん。また、中3の頃から“ゆとり教育”が導入され、相対評価から絶対評価になった。その恩恵で希望の高校に入学できたという。
「高校は推薦で私立に入学しました。家から近かったのと、そのままエスカレーター式で、世で言う“そこそこの偏差値の大学”に行ける高校だったので。あと、校則がほぼなかったのも選んだ理由のひとつです。制服も2年の途中から着なくてよかったです。髪を金髪にして、ピアスを空け、当時好きだったビジュアル系バンドのライブに通う日々のなか、初めてできた彼氏もバンドマンでした。
また、アパレル店のアルバイトに週4回出て、月6万円ほど稼いでいました。それで、フリーマーケットに行ったり、ゲームセンターでプリクラを撮ったり、ライブのチケット代や遠征の費用にしていました。ライブ遠征で地方に行く際、安い夜行バスを使うのは親に反対されたので、新幹線を使っていました」
就活の壁にぶつかる
私立の一貫となると、学費もかかる。きょうだいがいる家庭では、どちらかが私立へ行ったらどちらかは公立か県立、国立へ進学せざるをえないという話も聞く。しかしエリカさんの家庭は「きょうだいのどちらかが私立をあきらめるのは良くない」という考えのもと、2人とも私立の学校を卒業している。
高校の成績は悪く、1度数学の補習を受けたことがあった。しかし、大学では好きなジャンルの勉強に没頭して良い成績をおさめられ、近現代の作家に関する卒論を書いた。バンドの追っかけに明け暮れていたので、サークルには入らなかった。バンドに夢中で恋愛からは遠のいてしまった。高校時代から続けていたアパレル店でバイトをしながら、実家から大学に通った。
ある日、高校時代からの友人が男性を紹介してくれた。エリカさんとしては「アリ」枠な男性だったが、2人で飲みに行った際、泥酔して醜態をさらしてしまい、恥ずかしくてそれ以降会いたくなくなってしまった。
大学までは順風満帆に歩んできたエリカさんだったが、大学3年のときに就活の壁にぶつかる。特別やりたい仕事もなかったので「馬車馬のごとく働きたくない」「転勤したくない」という条件で絞っていくと金融系の一般職にたどりついた。20~30社受けたが、なかなか内定が出ない。ストレスがたまって大量に飲酒をする日もあった。それでもめげず、就活を続けていたら、ようやく内定が出た。それが今働いている金融関係の会社だ。
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