経営者目線の真の意味
日頃から社員に「経営者目線を持て」と言っている経営者であっても、社員が本当に経営者のように振る舞い始めたら、それはそれで困るはずです。
たとえば、経営者目線を持った社員が経営戦略を自ら考えて、社長に直訴しに行っても、普通は相手にしてもらえないでしょう。「お前は黙って自分の仕事をやっておけ」と、言われてしまうかもしれません。経営者がするような意思決定を現場の従業員が勝手にし始めたら、大騒ぎになるでしょう。
どんなに「経営者目線を持って仕事をしろ」と言ったところで、結局は「言われたとおりの仕事をするしかない」という、従業員としての側面は残っているのです。
結局、日本の会社で求められる「経営者目線」というのは、会社にとって都合がいい精神論でしかありません。
「今は会社の業績がよくないから、残業代が出ないのも仕方がない。それが会社のためだ」というような「経営者目線」を持つことは大歓迎ですが、具体的な経営戦略の範囲まで社員が口出しするようなことは、求められていないのです。
だいぶご都合主義的な経営者目線だということです。
「従業員目線」を持ち続けよう
会社員に本当に必要なのは、「経営者目線」ではなく、「従業員目線」だと僕は思っています。
日本の会社では、何かと「経営者目線」を要求されることが多いので、気がつくと自分が「雇われ」であるということを忘れてしまいがちです。仕事にコミットすればするほど、ついつい会社の利益のことばかり考えてしまいます。
しかし、会社員は、会社に労務を提供して、その見返りとして給料を受け取るという関係であるにすぎません。いくら会社の利益になるからといって、自分の給料に見合わない働きを強制されることはおかしいのです。
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