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突然ですが、まず、次の質問に回答してください。あなたの目の前に、以下の2つの選択肢が提示されました。
選択肢B:コイントスして表が出たら200万円もらえるが、裏なら1円ももらえない
さて、どちらを選びますか? どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は、計算上100万円です。ですが、多くの人が「選択肢A」を選んだのではないでしょうか。人間は50%の確率で200万円が手に入る選択より、50%の確率で1円も得られないというリスク回避をするからです。
これは、ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの心理学・行動経済学者ダニエル・カーネマンが提唱した「プロスペクト理論」といわれるものです。お金の話だと、冷静にリスク回避できるのに、不思議なもので、「結婚」になると、多くの未婚者が選択肢Bを選んでいるのです。
未婚者の結婚意思について調査した
本連載では「結婚できない」のではなく、「結婚しない」または「結婚する必要を感じない」ソロ男女の事例をたくさん紹介していますが、なかには「結婚したくてたまらないのにできない」という未婚男女もたくさんいます。
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以前、『「独身の9割が結婚したい」説の根本的な誤解』という記事で紹介したとおり、18~34歳未婚者のうち、明確に「結婚したい」と考えているのは、男性4割、女性5割にとどまります。
これは最近の傾向ではなく、30年前の1987年からずっと続く傾向です。平均初婚年齢の30代で見ても、「結婚への強い意志」を持つ未婚男女は、半分くらいしかいません。
2018年に1万2000人規模で、未婚者の結婚意思について、私が主宰する「ソロもんラボ」で新たな調査をしました。「結婚したい」と「結婚したくない」の意識の違いを男女年代ごとの差分で比較したグラフがこちらです。
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