結婚したい人が「なかなか出会えない」根因 女性が結婚に前向きな20代は「女余り」だ

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一方、40代以上に目を向けると、逆にすべてが男余りという、これまた男性側の視点からすると残酷な現実があります。こういうデータを提示すると、無駄にポジティブな40代未婚男性は、「それなら20代の年の差婚を狙えるな」と思いがちですが、それも以前書いたように(『40代「おじさん」でも1割は20代と結婚できる』)、40代以上の未婚男性が初婚で20代と結婚できる確率は1%もありません。それはそれで無謀な選択なのです。

マッチングの残酷な構造

つまり、年代や年収ベースで結婚したい男女の個人の最適化を求めれば求めるほど、全体の結婚のマッチング数は最少になってしまうという残酷な構造になるのです。

女性の「年収いくら以上」という希望も、男性の「年齢何歳以下」という希望も、50%の確率で200万円もらえるゲームより難しいのです。それでも男女とも不思議と「自分だけは大丈夫だ」と思い込み、ギャンブルを続けてしまうのはなぜでしょう?

実際に、20~29歳未婚男性がこの5年間でどれだけ未婚から脱出できたのかを、就業構造基本調査の2012年と2017年データからコーホート別年収別に算出してみました。グラフでマイナスとなっているのは、未婚のまま年収が上がったという意味です。

これによれば、20代でもっとも結婚したのは年収200万円未満の層であり、400万円未満と合算すると、5年間で約88万人。5年間の20代男性の婚姻数は約104万人ですから、9割近くがこの年収層の結婚で占められていることになります。

当然、世帯年収の構造をみれば、相手の女性は400万円未満です。400万円以上の未婚男性が全く結婚していないということを意味しませんが、日本の結婚は、年収にこだわらない人たちのマッチングによって支えられていると言えるのです。

それでも、あなたは「選択肢B」の「イチかバチか」を狙い続けますか?

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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