保険のSOMPOが「テーマパーク」を目指す理由 次期経済同友会トップが語る保険業界の未来

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その理由は先ほど話したデジタル化や人口減による社会の激変であり、保険会社のビジネスモデルも変わらざるをえないためだ。

「まさかのとき」だけ機能する保険会社ではダメ。ポジティブな概念であるテーマパーク、「SOMPOランド」でなければいけない。人から「昔は保険会社だったんですね」と言われたい。だから、保険業界をテーマにしたインタビューなんて、本当は受けたくないんだ(笑)。

メディアの人たちは「私は金融担当です。流通担当です」とあいさつする。お役所もそう。そのような分け方で法律が作られているからだが、それでは今後、ビジネスの本質は見えなくなってくるだろう。東洋経済も例外じゃないよ。

金融業界で働いていたつもりが、実際はもうテーマパークの仕事をしている、というのが未来の姿なのだから。

ついでに一言、未来を見る眼について話したい。物事を縦だけで見ていると、せいぜいその周辺のシナジーしか視界に入らないだろう。もっとダイナミックに平面的に広がっていく姿を捉えるには、縦から横へと視点を変えないといけない。そういう眼がますます必要になってくる。

当社には今、国内損害保険、海外保険事業、国内生保、介護事業の4つの大きな柱がある。それに続いてデジタル事業も立ち上げた。

サイバーリスクを診断して、コンサルティング料をいただくサービスを始めている。サイバー事業担当者には「保険の話は一言もするな」と言ってある。みんな笑うけれど、私はお年寄りが楽しめるキャンプ場を作ってもいいと話している。いちばん大事なのは、保険会社の発想を捨てて、テーマパークを進化させることだ。

経済同友会代表幹事はグループにとって光栄なこと

――ますます多忙になると思います。CEOと経済同友会のトップは両立できますか。

当社の指名・報酬委員会は5人のうちの4人が社外取締役で、社内は私だけの構成なのだが、そのメンバーたちから出た意見にジーンときた。

「(経済同友会の代表幹事就任は)グループにとって非常に光栄なことだから、ぜひ受けなさい」「これくらい(代表幹事)の仕事はグループCEOのミッションとして考えていい。それくらいできなければダメだ」と。大変なプレッシャーを感じているが、そういうことだと思う。

『週刊東洋経済』12月29日・1月5日合併号の特集は「2019大予測」です。
堀川 美行 東洋経済 記者

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ほりかわ よしゆき / Yoshiyuki Horikawa

『週刊東洋経済』副編集長

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