保険のSOMPOが「テーマパーク」を目指す理由

次期経済同友会トップが語る保険業界の未来

SOMPOホールディングスグループCEO・社長の櫻田謙悟氏(撮影:梅谷 秀司)
「安心・安全・健康のテーマパークを目指せ!」
独特の表現力を駆使し、ビジネスを語るのが、SOMPOホールディングスのグループCEO・社長の櫻田謙悟氏だ。2019年春には経済同友会の代表幹事にも就任する。櫻田氏は保険業界の未来をどう見るか。『週刊東洋経済』12月25日発売号の「2019大予測」に掲載したインタビューのロングバージョンをお届けする。

平成初期のオフィスにはパソコンが1人1台もなかった

――まず平成の時代を振り返ると?

保険業界のこと? 私自身は保険業界で働いているという意識が薄いので、保険のことをお話しするのは、あまり心地よくはないのだけれど、保険、特に損害保険業界は世界経済、日本経済と色濃くリンクする業界なので、そういう話を絡めながら、お話はできると思う。

平成が始まった30年前、私ども含めて、どの会社もパソコンは1人1台もなかった。家にも1台ないでしょう。あっても電話回線を使って、やっとインターネットを見られるような時代だった。

それから10年も過ぎると、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれるプラットフォーマーが徐々に台頭してくる。われわれは「ただでこんなサービス使えるの?」って、喜んでメリットを享受してきた。

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しかし、気がつくと、GAFAなしでは生活も事業もできない。デジタルが単なる便利なツールということではなく、負の面も含めてほかの側面があることに誰も気づかなかったのではないか。

IT・デジタル化で始まった平成という時代は、「IT・デジタルについて真剣な議論が必要になった」という共通認識が芽生えた段階で締めくくられることになる。

もう1つの流れは人口減少、少子高齢化による影響だ。社会的な課題がどんどん浮き彫りになった時代で、特に介護雇用を含む医療費の増大が財政を圧迫し続けた30年といえる。これからもっと深刻になるかもしれない。

――保険業界も大変革期にあるという認識でしょうか?

人間主体のビジネスモデルを見直さざるをえない。デジタル・ディストラプション(デジタル技術による既存市場の破壊)によって、われわれはもう「保険会社」と名乗る必要はなくなるのかもしれない。「まさかのとき」のためのファイナンス的な機能があればよく、それは保険会社とは限らない。

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