就活で「下町ロケットな会社」を見つける方法 中小企業にこそキラリと光るダイヤがある

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このほかにもおすすめしたい書籍がある。講談社から出ている『東京五輪後でもぐんぐん伸びるニッポン企業』(田宮寛之著)だ。電気自動車化が進む自動車業界や、インバウンド消費が期待される業界などで有望な企業を著者が取材し、東京五輪後の日本経済を支えると期待される企業を豊富に紹介している。ちなみに、同じ著者が書いた『みんなが知らない超優良企業』『無名でもすごい超優良企業』なども、「下町ロケットな会社」の候補がたくさん紹介されている。

就職情報サイトや雑誌、書籍を紹介してきたが、就活生にとって頼りになる情報源としては、学内の掲示板や、就職支援システム内に登録される求人票も外せない。就職情報サイト上で、不特定多数の就活生向けに公開される採用情報とは違い、自分が通う学校にピンポイントで届くだけに、その学校の学生に対する企業の採用意欲は非常に高い。事業内容や仕事内容、待遇に納得できれば、就活生とのマッチング度合いは高いはずだ。

キャリアセンターには有益な情報が集まっている

さらに、求人票だけでは不安だという人は、キャリアセンターの職員に直接相談してみるといい。というのも、キャリアセンターには採用意欲の高い企業の担当者が直接訪問しており、自社のPRや採用条件などを細かく説明しているからだ。

実際の仕事内容はもちろん、どんな社員がいる会社なのか、どんな学生なら活躍できるのか、かなり具体的に企業情報を把握しているので、うまくいけば、自分に合った企業を紹介してもらえるはずだ。

加えて自分の学校のOB・OGの就職先をチェックするのもいいだろう。先輩たちの進路に関する情報も、キャリアセンターにはストックされているはずなので、一度調べてみることをおすすめする。運良くキャリアセンターでOB・OGを紹介してもらえたら、直接会って話を聞くといい。

今回は、ドラマ「下町ロケット」にちなんで、魅力ある中堅中小企業の探し方を紹介した。売り手市場ゆえに、大手有名企業に人気が集中する傾向が強まってはいるが、「下町ロケットな会社」には、大手企業にはない魅力がたくさんあるはずだ。

ただし、大手企業のように何でも会社がやってくれる、という意識は捨てた方がいいだろう。「自分のキャリアは自分で築く」という気概を持って、自分のファーストキャリアを選択してほしい。

吉本 隆男 キャリアライター&就活アドバイザー

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よしもと たかお / Takao Yoshimoto

元マイナビ編集長。1960年大阪生まれ。1990年毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ)入社。各種採用広報ツールの制作を幅広く手がけ、その後、パソコン雑誌、転職情報誌の編集長を務める。2003年より就職情報サイト「マイナビ」の各種コンテンツ制作、プロモーション施策の立案・実施を担当。2015~2018年までマイナビ編集長を務める。2019年からは地域創生をテーマとした高校生向けキャリア教育プログラム&教材の開発に従事。2020年定年退職を機にキャリアライター&就活アドバイザーとして独立。日本キャリア開発協会会員(CDA)、国家資格キャリアコンサルタント。著書に『保護者に求められる就活支援』(2019年/マイナビ出版)

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