というのも、最後に大事になってくるのは、会社の社風や職場の雰囲気だからだ。就活は自己分析と企業研究の両輪でスタートし、自分の興味・能力・価値観を知り、どの企業なら、どの仕事なら、それを活かせるかを考えるもの。自分が持っているものと企業が求めるもののマッチングを軸に企業選択をすることになる。しかし、そこで「どんな人と仕事をするか」という視点を忘れると、実際に仕事を始めたとき、「こんなはずではなかった」と、ミスマッチにつながる可能性が出てくる。
その職場でどんな人が働いているのか、自分がのびのび仕事をできる環境なのかどうか、ぜひインターンシップやOB・OG訪問などを通じて確認してほしい。
中小企業庁がまとめた「2018年版中小企業白書」によると、日本には中小企業に分類される企業数は、約172万社。個人事業者も含めると380万社に達する。ちなみに大企業は約1万1000社に過ぎない。就活生なら「この中からどうやって自分に合った企業を見つけるの」と途方にくれてしまうだろう。ただし、「定期的に新卒学生を採用している企業」に限定すると、社数はグッと絞れる。
約2万社が「下町ロケットな会社」の候補
就職情報サイト「マイナビ2019」には、現在、約2万5000社の求人情報が掲載されている。このうち株式公開している企業が約2000社なので、残りの約2万3000社が、今回の「下町ロケットな会社」候補となるだろう。
イメージに食い違いがないように整理すると、日本国内の未上場企業で、従業員は300名以下、かつ定期的に新卒学生を採用していて、今後大いに成長が期待できる企業(メーカーか非メーカーかを問わず)を、ここでは「下町ロケットな会社」の条件としておきたい。
まさにドラマに登場する佃製作所のような会社は多数存在する。その魅力は何と言っても、社長と現場社員との距離が近いことだ。社長の考え、会社の方向性がよくわかるので、自分の担当する仕事の意義や目標がしっかり理解できる。
また、若手からどんどん責任ある仕事を任せてもらえるので、入社後の成長も早いだろう。それに、社員みんなとは気心知れた関係なので、職場の風通しもいいし、遠慮することなくのびのび仕事ができる。
逆に、業績が取引先の動向に大きく左右されたり、大手企業ほど待遇が良くなかったり、というマイナス面もある。ただ、ドラマに出てくる帝国重工のように、社内調整が大変だったり、意思決定に時間がかかったりというような、よけいな気苦労がないのが、「下町ロケットな会社」ならではの魅力に違いない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら