子供の「読解力を高める授業」が本質的すぎた

「AI vs. 教科書が読めない」著者が考案!

「読解力を高める」モデル授業を行う、新井紀子氏(撮影:尾形文繁)
次の2つの文が表す内容は、「同じ」でしょうか、「異なる」でしょうか。
「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」
「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」
当然、「異なる」が正解です。ですが全国の中学生857人の正答率は、なんと57%。「2択問題」の正答率はあてずっぽうでも50%になることを考えれば、驚異的な低さです。
このような「教科書が読めない子どもたち」の問題を提起し25万部のベストセラーとなった『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子氏が、子どもの読解力を高める授業を開発しました。その内容を、モデル授業を聴講した文筆家の岩本宣明氏がレポートします。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の著者、新井紀子さんが代表を務める「教育のための科学研究所」が開発・実施しているリーディングスキルテスト(RST)により、日本の中高生の多くが、教科書を正確に「読めていない」実態が明らかになりました。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』は25万部のベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

では、読解力を涵養するにはどうすればよいのか。「教育のための科学研究所」は、読解力を培うための新しい形の国語の授業を提案しています。

学校の授業は、生徒は「教科書を読んで理解できる」ということを前提に設計されています。あるいは、教科書の執筆者は、〇年生であればこれくらいの文章は理解できるはずだろうと推測して教科書を書いています。しかし、子供の多くが教科書を読んで理解できていないとすれば、その前提は崩壊します。

国語や算数・数学、理科、社会の問題を「解く」能力を培う前に、問題文を理解する日本語を読む力を涵養しなければならない。それが、今の教育には抜け落ちている――。そのような認識に基づき、「教育のための科学研究所」は、抜け落ちた「日本語を読む能力」を培うための「新しい形の国語の授業」を設計しました。11月に開催された「リーディングスキルフォーラム」では、新井さんが先生役を務めるモデル授業が披露されました。

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