顧客を気遣う営業マンほど「印象が悪い」逆説 「余計な遠慮や気遣い」が軋轢を生んでしまう

拡大
縮小

ここで、営業マンが実際に遭遇しやすい下記のようなケースを考えてみましょう。どのようにして、アサーティブな断り方をすればいいのでしょうか。みなさんも考えてみてください。

よくある実際のケース

次の予定があるのに、取引先との打ち合せが長引いてしまい、なかなか切り上げられません。どうすれば、不快な思いをさせず、上手に切り上げられるでしょうか?

まずは、間違えやすい、ついやってしまいがちな断り方(悪い例)です。

タイプ1:攻撃的なドッカンタイプ

「なんでみなさん、そんなにダラダラと話を続けるのですか!」と相手に一方的に感情をぶつけてしまいます。これでは、後味が悪いですよね。

タイプ2:受け身的なオロオロタイプ

「あの~、すいません、そろそろ時間なのですが……」とビクビクしながら言います。話自体は伝わりますが、なんだかスッキリしません。

タイプ3:作為的なネッチリタイプ

口では何も言わず、ペンを机にトントンと打ち付けていら立ちを表現したり、資料を片付け始めたりして、急いでいることをアピールします。相手が気づいてくれればいいのですが……。

相手に不快な思いをさせず、上手なアサーティブな断り方は、このようになります。

「そろそろ1時間経ちましたので、今日はこのあたりで終わりにしませんか」と率直に堂々と述べることです。

ポイントは3つあります。

1つ目は、感情を入れずに事実を伝えることです。

「1時間経った」ということを、そのまま伝えます。事実を伝えることで、相手が気づいてくれることもあります。大事なのは、「きちんと時間を守ってくれないと困る」などと、自分の感情を入れないことです。

2つ目は、へりくだったり、高圧的にならないことです。

お客さまだからといって、「申し訳ありませんが」などとへりくだらないことです。しかし、逆に「もう、1時間経っているじゃないですか!」などと、高圧的になってもいけません。冷静に対処しましょう。

3つ目は、代替案を提示することです。

「今日はこのあたりで」とだけ伝えていますが、「この続きは次回の○日で」と言ったり、「足りない部分はメールでやり取りしましょう」などと、何らかの代替案を提案するのも重要です。

この3つポイントを意識することで、相手に不快な思いをさせず、上手に断ることができるようになります。できるだけ、感情的にならないように注意してください。自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく 誠実に、率直に、対等に表現すればいいのです。ぜひ実践してみてください。

アルファポリスビジネスの関連記事
営業で確実に結果に繋がる5つの「紹介術」―「プライミング効果」
営業マンのスランプ脱出には「視点を変える」のが一番 ―「空間的な視点取得」
9割の人が知らない、営業で「嫌な人」と付き合わずに成果を出す方法

アルファポリスビジネス編集部

アルファポリスはエンターテインメントコンテンツのポータルサイト。小説、漫画、書籍情報などを無料で配信。最近はビジネス系の記事にも力を入れている。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT