日本の女子へ、1年間自由に過ごせ!旅に出よ リンダ・グラットン「聖心女子大学」特別講義

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ご両親の成し遂げたことがあるから、日本はすばらしい国になりました。30年前はトヨタ、日立など「いかに日本企業はすばらしいか」というケーススタディばかりでしたし、すばらしい遺産、財産を日本は持っているわけです。ですから、次世代に求められていることは、その次のステップをどう踏むかということだと考えましょう。

前向きに動き続けよう

学生C:私はいま4年生ですが、就職活動をしないという選択をしました。けれど、いまの日本においてそのような選択には困難が立ちはだかりますし、まだ両親を説得できずにいます。もう心が折れそうです。

グラットン:みなさんが今後について大きな心配を抱えていることは、日本のメンタルヘルスに関する統計からもわかっています。数年前、日本企業のCEOから「会社をどう変えたらよいのか」と相談を受けましたが、話を聞くうちに、これは簡単なことではないとわかってきました。

通常、企業というのはクルミを割るように変わるものなんです。ちょっとヒビを入れてあげるとパリッと割れる。でも、日本の企業というものは、非常に曖昧模糊としているのが特徴なんですね。

ご自分の選んだ道で最大限の成果を上げるには、とにかく前向き思考でできるだけのことをすることです。ただ「就職をしない」というだけでなく、「就職をしない代わりにこれをやる」「誰と組んでこんなことをする」と明確に決めてください。具体的な目標、目的を掲げることです。そして、「何をしたいのか」ではなく、「何をする」と決断して実行していくことでしょう。体を動かし、行動に移すことです。

自分のために時間をとってロンドンへ暮らしにいく、バーで働いてみるなど探索してみてもいいのではないかと思いますよ。ギャップイヤーを自分で作り、そして同じくギャップイヤーをとっている人とつながって仲間になることもできます。協力も得られるかもしれません。政府や企業が何かをしてくれるまで待っていたのでは、何も起こりません。どうぞ自分から変化を起こしていってください。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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