日本の女子へ、1年間自由に過ごせ!旅に出よ リンダ・グラットン「聖心女子大学」特別講義
教育再編が人生の質を左右する
澤野由紀子(以下、澤野):「人生100年時代」という言葉は、いまや政策立案や生涯学習の現場で取り上げられる重要なキャッチフレーズとなって、国や地方のレベルでの対策が議論されています。心理学を専門とするグラットンさんは、どのような動機で『ライフ・シフト』を執筆されたのですか?
リンダ・グラットン(以下、グラットン):私は心理学者ですから高齢化は専門ではないのですが、これまで20年間、「将来をどのように捉えればいいのか?」という点に関心を寄せてきました。そこでまず2012年、私の人生がどういったものだったかを振り返りたいという気持ちで『ワーク・シフト』という本を書き、その後『ライフ・シフト』を書きました。
超長寿化という現象をどう受け止めて対処していくのか、それが人生の質や幸せの度合いを左右するだろうと思ったのです。長寿化については、日本は西洋諸国よりも顕著ですよね。
澤野:人生100年時代に対処していくために、大学という場にはどのような役割があるのでしょう。聖心女子大学は、リベラルアーツの単科大学ですが、大学院や学部にも少しずつ成人の学生が増えています。社会に出て何年かキャリアを積まれた方、子育てを終えた女性などの再入学です。グラットンさんは、人生が教育、仕事、引退の3ステージから、マルチステージ化していくと示されましたね。生涯学習の現場では、そのような変化にどう対応できると思いますか?
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