年末に「北朝鮮核ミサイル発射」という衝撃 「イラン核問題合意」の裏で、密かに脹らむ危機

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建国65周年の軍事パレードを行う北朝鮮人民軍(13年9月9日)。水面下で、北朝鮮をめぐる情勢は緊迫している可能性がある(Xinhua/ZUMAPRESS/アフロ)

「北朝鮮を・・・何とかして動かさなければダメだ。そのためには非公然活動も止むを得ない」

この言葉を不意に聞かされて、私は顔面蒼白となった。なぜ北朝鮮なのか? どうして彼らをこれから動かさなくてはならないのか? しかもインテリジェンス機関による隠密行動である「非公然活動(covert action)」によって?

なぜ米国のキーパーソンは、北朝鮮に言及したのか

今年(2013年)10月初旬。私は米国の首都ワシントンD.C.にいた。毎年恒例の「世界一周出張」の帰り道、いつものとおり選んだ停泊地がそこだった。ワシントンD.C.はあいにくの雨で、私を迎えてくれた。

私がこの街を訪れたのには訳がある。若い友人であるM君を介して、米国の「対日利権グループ(ジャパン・ハンズ)」を代表する老翁と会うためだ。日程調整を出発直前から始めたのだが、二転三転を経て「それでは30分だけ」ということで、アポイントメントを取り付けることができた。

だが実際に会ってみると、全くもって話が止まらない。日米関係の今とこれからからに始まり、ありとあらゆる問題について話を聞いて、私はふと腕時計を見た。会話が始まってから、あっという間に1時間が経っている。「そろそろ次のアポイントメントがありましたよね・・・」と席を立ちかけた私を制するように、老翁は手をこちらに向け、早口で言葉を継いだ。その時言われたのが冒頭の衝撃的なメッセージだったのだ。

12月6日に上梓する最新の小著『ジャパン・ラッシュ――『デフレ縮小化』の中で日本が世界の中心となる』(小社刊)の「はじめに」で登場するのがこの老翁だ。海の向こう側で戦後、綿々と続いてきた二つの「対日利権グループ」の内、現政権に近いグループのトップを務める人物である。表面的にはアカデミズムの住人だが、決して絶やさないその笑顔に浮かぶ眼光の鋭さから、本来、権勢の人であることがよくわかる。

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