お金で釣った仲はお金で揉めます。彼女からこれ以上お金を引き出せないと知った親戚たちは彼女を持て余し、彼女は「自分を邪険にした」「定期的に連絡してこない」などの理由でことごとく人と揉め、「お金は預けただけだ、返せ」「贈与だといわれたので全部使った」と揉めた挙句にすべてのお金をなくし、人の縁もなくしました。
最後まで人への不信感でいっぱいで、孤独に人生を閉じた彼女を思うたび、もっと生きたお金の使い方をしていれば、あそこまで人間不信で生を閉じることなく、幸福を感じて生きることもできたのではないかと、ときどき考えるのです。
あなたが現世で有効に財産を使って得られる幸福感より、元夫への遺産贈与は有効かどうか、ご一考されることをお勧めしたいと思います。
すでに縁が切れている人に固執してはいけない
あなたの財産を遺産として、あなたが希望した再婚を拒んだ人に贈与する手続きを済ませて安心するだけでは、兄への憎悪は消えないでしょう。
それよりは今、生きている間にあなたが幸福だと実感できる財産の使い方は何かを考え、その実現に向けて努力するほうがあなたを満たし、つまらぬ兄との数十年先の関係など、気にならなくなるのではないでしょうか。
あなたはより大きな幸福を追求することに、考え方を軌道修正するべきです。
世の中には、ただ食べるためにだけ一生懸命働かねばならない人もゴマンといます。そのような人にも、悪縁の人を恨み続けている間は幸福になれないと申し上げています。
他人に贈与できる財産をお持ちのあなたにはなおのこと、ぜひ、このことを強調したいです。
遺産の譲渡先に関しては、養護施設等への寄付や奉仕、あしながおばさんなどもあります。自分の財産では日本の子どもは少人数しか応援できないが、発展途上国の子どもならその何倍も救えると、発展途上国の子どもたち専用の奨学基金を設立した人もいます。
この方たちはみな、自分より困っている人のために自分の財産を役立てることで、自分も幸せを感じるタイプの人たちです。
もちろん、「困った人のために使う」ことだけが、財産の有意義な使い道とは申しません。あなたが趣味の、たとえば手芸店か喫茶店等を開いて社会といつもつながっていることで幸福を感じたり、旅行に行ったりと、“切れた縁に支払う”よりもよさそうな使い方は、いろいろありそうです。
実質的に縁が切れている兄との“縁の切り方”で悩むのは、人生の浪費・宝の持ち腐れです。兄にせよ、再婚を断わられた元夫にせよ、“すでに切れている縁に固執する生き方”を見直すことが、幸福な生き方への第一歩なのではと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら