まずあなたの現在の心配から、何が取り越し苦労かをチェックして取り除くことです。
あなたが兄より先に逝くとは限らず、今からそれで気を揉むのは、わざわざ苦労を作っているようなものです。それに遺言を公正証書にしたそうですから、悪く転んでもあなたの財産が兄にいくことはなさそうです。後はあなたが不幸にも突然死して、あなたの事前の意思表示にもかかわらず間違って行政から兄に連絡が行こうが、あなたの知ったことではないと割り切るほうが合理的です。
平均寿命まで生きても、あなたの人生はまだ30年以上あります。それが30年後として、兄のほうが長生きし、間違ってあなたの鬼籍入りが兄に連絡されたらどうしようと気を揉むのは、現実的ではありません。あなたにはどうすることもできませんし、兄のほうから関わりを拒否する可能性もあります。
あなたの想いは、遺産を兄に行かないようにしたことで、十分に伝えられます。
絶縁状のような覚書を作成して、お互いに一切連絡を取らないという約束を交わす方法もあるそうですが、それをする必要もないほど、あなたたちの縁は切れています。
踏まれた者の痛みで踏んだ人を恨み続け、踏んだ人よりストレスを抱え込み、健康を害する人がいますが、それは踏まれた者が痛みを自分で何十倍にもする生き方です。
あなたの今際の際(いまわのきわ)の兄への連絡など、どうでもいいではありませんか。
お金で釣った人間関係は、お金で揉める
今の状態のあなたにアドバイスを、とのことですが、元夫への財産贈与は最善策ですか?
彼を疑っているのではありません。失礼ながら万が一でもそれをすれば再婚話に乗ってくれると期待して話を持ち掛けたのでしたら、それが実現しないのですから、撤回という方法もあると思います。
といいますのはこれはあなたとタイプは似ていなくとも、やり方が似ている、少し気になるケースを思い出したからです。
夫と死別したある知人は多少の財産があり、子どもがいなくて、親と4人のきょうだいとも不仲で、頼れる人が周囲にいないという環境が似ています。
彼女は何十年も前から、夫が残してくれた数千万円の財産をちらつかせ、4人の弟妹やその甥たちに「あなただけが頼り」とそれぞれに言い寄っていました。それを信じさせるべく、実際に数百万円ずつを預けたりしました。愛に飢えていた人なので、お金を「預けた」親戚からは(その残りも期待されてか)丁重に扱われ、いっときは幸福そうでした。
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