マルクスの視線の先に、スターリン?
籾山さんが「これは恐ろしいポスターです」と言うのが、次の《マルクス、エンゲルス、レーニン、スターリンの旗をより高く!》という政治ポスターだ。左から時代順に4人が並んでいる。
「4人の顔の向きに注目してください。ポスターを見る人の視線が自然に右端のスターリンに行くようになっています。当時の指導者であるスターリンが、マルクスの正当な継承者であることをサブリミナルな手法で訴えているのです」
こうした政治ポスターを含め、革命前から1930年代までの合計180点が展示されている。ファッションブランド「BA-TSU」のデザイナーだった松本瑠樹さんのコレクションだ。
「デザインの面白さ、そして時代と芸術の関係が見えてくる面白さを楽しんでもらえれば」と籾山さん。12月7日と1月19日の午後2時には籾山さんのギャラリートークがある(申込不要、無料、ただしこの展覧会の観覧券は必要)。また、会期中は『戦艦ポチョムキン』『大地』などの映画の上映会も行なわれている。葉山へのショートトリップで、ぜひ立ち寄りたい美術館だ。
「ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」
2013年10月26日(土)~2014年1月26日(日)
神奈川県立近代美術館葉山館
神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
TEL 046-875-2800
9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(12月23日、1月13日は開館)、12月29日~1月3日
一般1100円、20歳未満・学生950円、高校生100円、65歳以上550円
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