北朝鮮の富裕層で増える「どハデ婚」の中身 こっそり見ている韓流ドラマの影響で
北朝鮮では韓国コンテンツの視聴は禁じられている。にもかかわらず人々は、こっそりと手に入れた韓国のドラマや映画を夢中で見て、この20年間を過ごしてきた。中には、韓国のテレビ番組を生放送で見ている人もいる。このような韓流体験が、北朝鮮の結婚式にも影響を与えるようになってきているのである。
「映像の中の韓国」をまねしようとする静かな動き。これが示しているのは、北朝鮮の人々にとって、今や韓国が「洗練と繁栄の国」(あるいは禁じられた果実)としてあこがれの対象になっているという事実だ。
ショーアップされる今どきの結婚式
北朝鮮の結婚式も最近は、韓国と同じように大部分が本格的な写真や動画を撮影するためのイベントになっている。結婚式は新郎新婦がプロのモデルであるかのようにカメラの前でポーズを決め、カメラのためにパフォーマンスする場になった、ということである。
結婚式当日の朝、新郎新婦は結婚式の衣装を身に着ける。2000年代初頭は、白のドレスにベール姿という西洋的な装いが新婦の間では人気があった。しかし、これはあまりにも朝鮮的でなさすぎるという理由から、まもなく禁止された。
最近の新婦は、韓国で「韓服(ハンボク)」と呼ばれている伝統的な朝鮮の装いをベースとした衣装に身を包んでいる(ちなみに、北朝鮮で「韓服」という言葉が使われることはない)。新郎はスーツ姿だ。
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新婦が裕福な家の娘である場合には、数時間かけて入念な化粧を施すのが当然と考えられている。化粧を担当するのは、プロのメークアップ・アーティスト。技術料は100~200ドルが相場だ。平均月収が60~70ドルという平壌では、これはかなりの大金といえる。
新婦の身支度が終わると、手配された車に乗って新郎が新婦の家に到着。平壌の中でも最も見栄えのする場所へと新婦を連れて行く。