ブランド品リユース「コメ兵」巡る異変の真相 増収増益でも株価が急落、その主犯とは

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これに対し、コメ兵は前期に別業態店への「買取センター」の併設を進めたのに続いて、今年10月には愛知・豊田、11月に東京・経堂、12月には神奈川・向ヶ丘遊園と買取センターの出店を加速している。

これまで効率が悪いとして力を入れてこなかった店舗から、顧客宅に出向き、査定を行う「出張買い取り」を再び強化している。同時に、コメ兵が手薄な郊外や地方の需要の取り込みを狙い、新たな買い取り強化策にも着手している。

11月に開業した東京・経堂の買取センター。ゆったりしたスペースを設けて、快適に過ごしてもらう空間づくりを意識している(写真:コメ兵)

前期から開始した百貨店の外商担当者とコメ兵の査定担当者が同行し、外商顧客の自宅で査定を行う百貨店の外商部門との提携は、埼玉県川越市の丸広百貨店や名古屋市の丸栄、愛知県豊橋市のほの国百貨店、埼玉県熊谷市の八木橋百貨店などとの提携を実現。丸広百貨店との提携では、前回に比べて5割増の買い取りを実現するなど、着実に成果があがっている。

コメダ珈琲と「異業種提携」

2018年10月には古物営業法の規制緩和によって、店舗や顧客の自宅以外でも買い取りが認められた。それを機にコメダホールディングスと連携、10月28日から11月11日までの2週間、同社の名古屋市瑞穂区上山町のコメダ珈琲本店駐車場に「買取キャラバンカー」を派遣してブランド品の買い取りを行っている。

コメダ珈琲本店に出張した買い取りイベント(写真:コメ兵)

2週間の限定開催の予定だったが、来店客数が想定の4倍を超え、査定担当者を2人から急きょ3人に増員するほどのにぎわいだった。「上山町から名古屋本店のある大須まではなかなか行けないが、いつもの場所にコメ兵が出向くということで新規顧客の開拓につながっている」(石原社長)。今後は百貨店の催事会場やマンション、オフィスのフリースペースでの開催も検討に入っている。

買取センターの出店加速や出張買い取りの強化に加えて、こうした新規の買い取り策でどこまで買い取り専門店との差別化を図り、マーケットの不安を払拭できるのか。コメ兵の手腕が問われている。

野口 晃 東洋経済 記者

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のぐち あきら / Akira Noguchi

中古品小売りなどの業界を担当。

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