メルカリに「福沢諭吉紙幣」が出品された理由 5万円の現金に5万9500円の値がつく怪現象

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
フリマに現行の紙幣が額面以上の値で出品・取引された理由とは?(写真:freeangle / PIXTA)

衣料品、雑貨などを個人間で売買するフリーマーケット(フリマ)アプリの「メルカリ」。2013年にサービスを開始後、急激に利用者を伸ばしてきたサービスです。手軽さに加え、「どんなものでも売っている」と言われる自由さが人気の理由になっています。

そんなメルカリに4月22日ごろ、ツイッターを中心にSNSである話題が駆け巡りました。

「現行紙幣の出品」という怪現象

「メルカリに現金が出品されている」

正確には福沢諭吉が印刷された1万円札などの紙幣。現在、市中に出回っている現行のおカネです。異常に見えたのは、出品されている紙幣の額面よりも高い値がついていたこと。筆者が確認した画面では1万円札5枚、本来なら5万円の価値しかないはずの現金が出品され、それに5万9500円の値がつくなど、1割以上の価格を上乗せして売られているケースが散見されました。

この疑問は、翌日にまとめサイトの記事にもなるなど話題になりました。

メルカリは現行の硬貨・紙幣でも希少価値の高いものについて出品を希望するユーザーの要望に応える格好で今年2月14日、現行紙幣の出品を可能にしていました。本来、紙幣や硬貨には額面どおりの価値しかないはずですが、廃版となった過去の紙幣・硬貨や発行枚数が少なかった現行の紙幣・硬貨、ぞろ目番号などの希少性には額面以上の値がつくことはあるからです。

現金が出品されていたのはメルカリだけではありません。同じく「ヤフー」のオークションサービス「ヤフオク!」(以下、ヤフオク)でも同様の現象が発生していたことも明らかになりました。ユーザーなどからの指摘を受けて、メルカリとヤフオクは現行の紙幣や硬貨の出品を原則禁止にする方針を打ち出しました。

フリマで現行の紙幣が額面以上の価格で取引されていた。なぜこんな取引が発生し、かつ広がったのでしょうか。

これにはいわゆる「貧困ビジネス」「地下経済」がかかわっていると考えられています。主に問題となる2つのポイントについて考えてみましょう。

次ページ「カードでお金」と同じような仕組み
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事