ブランド品リユース「コメ兵」巡る異変の真相 増収増益でも株価が急落、その主犯とは

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実は、コメ兵のメインの調達先である個人からの買い取りをめぐる環境が大きく変化してしまっているのだ。これまでブランド品の買い取りは、コメ兵以外に「大黒屋」「ブランドオフ」「銀蔵」など、小売店舗を持つ企業同士の競争だった。

ところが、新興買い取り専門店の「なんぼや」「おたかやら」「エコリング」「ゴールドプラザ」などは店舗での買い取りに特化し、企業向けオークションや卸、EC通販などで販売を行う。小売部門を持たないというコスト面の優位を武器に、店舗網を急速に拡大している。

中でも、「なんぼや」を展開するSOUは2017年にブランド品リユース売上高で大黒屋を抜いて2位に躍進。「リピーターの獲得や持ち込まれる商材を買い切る施策を推進するなど、既存店の生産性向上が進んだ」(SOUの嵜本晋輔社長)2018年8月期には、売上高315億円(前期比39%増)、営業利益18億7000万円(同82%増)と大幅な増収増益を達成。売上高こそコメ兵に及ばないが、営業利益では肩を並べる存在になっている。

買い取りの拠点数で見劣り

「リユースのデパート」を標榜するコメ兵の店舗は、名古屋本店、名駅、東京・新宿、新宿ANNEX、東京・銀座、大阪・梅田と、売場面積が300坪以上の大型店が中心だ。店舗数は100~200坪の中型店、20~30坪の小型店を合わせて計17店になる。

ブランド品の買い取り拠点数はこれら店舗と買い取り専門の「買取センター」のほか、前期から併設を進めた「LINK SMILE」「USED MARKET」など別業態店の買取センターを合わせ、2018年9月末時点で29店。地域別に見ると、東京や愛知への出店が主力で、関西は3店、中国、九州はそれぞれ1店で、北陸や四国、東北、北海道が空白地域になっている。

8月に改装したLINK SMILE日進竹の山店(写真:コメ兵)

対して、SOUのブランド品買い取り拠点は、2018年8月末時点でなんぼや48店、事前予約システムを導入した「BRAND CONCIER」6店の合計54店だ(ほかに古美術を扱う八光堂を含めると63店)。コメ兵がまだ出店できていない百貨店内にも買い取り拠点を持つうえ、四国を除く全国をカバーしている。

今期に入っても9月に大阪・難波に同地区3店目となる「NAMBAなんなん店」、11月には横浜に「マルイシティ店」、川崎に「マルイファミリー溝口店」を開業するなど、出店ペースを加速している。

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