それでも子に勉強を教えたい親に必要な視点 知っておくときっと役に立つ3つの真理

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先日、筆者がカフェで東洋経済オンラインの記事を書いていたところ、次のような場面に遭遇しました。

4人家族でパパが娘を、ママが息子に勉強を教えていました。子どもは2人とも小学生でどうやら中学受験を目指す大手塾の教材を使っているようです。ママは怒りながら息子に教えています。「これ、勉強したことだよね!! なんでわかんないの!」と。そして驚いたことに、ママはパパに向かって「あなたが変な教え方するからこの子(息子)が、できないじゃない!!!」と怒っているのです。その親のやり取りを子どもたちは間近で黙って見ているのです。勉強は大変、親は大変、自分ができないと親は怒り出す……と、子どもはじわっと感じていたりするのです。

実はこのような状況を筆者は度々目にしています。別のカフェでもママが娘に勉強を教えていました。近くにいたため、聞こうとしなくても話が聞こえてきます。すると、教え方が間違っているとはいいませんが、伸びないやり方で勉強を教えているのです。私が声をかけるわけにもいかず、「あのやり方では厳しいなあ」と歯がゆい気持ちを持ったものです。

親は指導のプロではありません。指導方法はおそらく習ったことはないでしょう。ですから、適切な教え方がなされないため、効果が出なかったりします。これは本来、学校の先生の役割であって、親の役割ではないということがおわかりいただけると思います。

勉強をしない子に対して一所懸命やる気にさせようと頑張る親御さんもいらっしゃいます。しかし、やる気にさせるモチベーションアップのプロではないため、大抵は失敗します。どうすれば人はやる気になるのか。その原理を知らないと上げることはできません。しかし目の前の、ダラダラしているわが子を見ると「やる気」にさせようと再び親は“頑張って”しまうのですね。気持ちはよくわかりますが、残念ながら何も解決しないのです。

伸びる教え方を親が知ってしまえばいい

本来、親は勉強を教えないほうがいいと言われても、今後も親が子どもに教えるという状況は絶対になくなることはないでしょう。

そこで、筆者はこのように考えました。それならば、「伸びる教え方を親が知ってしまえばいい」と。いずれにせよ、子どもに勉強を教える状況が生まれるのであれば、教え方を知るほうが子どもの学力は上がっていきますし、親子の関係も円満になります。

では教え方とはどういうことかについてお話ししたいと思いますが、字数の限られた記事ではすべてを語ることはできませんので、石山さんのお子さんが現在置かれている算数の指導を中心に、そのポイントをいくつかお話ししましょう。

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