タイプ別「働かないオジサン」への対処法 ヨイショするか、厳しく当たるか……

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彼らは、会社の外には関心が薄く、居場所も持っていないので、一緒に働く仲間から認めてほしいという気持ちは人一倍強い。そのため彼らを持ち上げて、周囲と協調して機嫌よく仕事をしてもらえれば、自分たちの仕事も助かる。大体はヒマなので女性社員が困っていると自ら進んで手伝ってくれたりする社員も多い。

ただ、会社の中の自分の立場には敏感なので、ほかの社員との比較意識は強い。出世している同期などの話には言及しないほうがいいだろう。

「いい顔」のオジサンを探せ!

以上が「働かないオジサン」の簡単なタイプ別の区分けとその対処策である。いずれにしても、ただ単に働かないオジサンを批判するのではなく、働かなくなった理由に目を向けて対応策を考えたり、自分のキャリアの参考にしたりすることが大切である。

さらに、若手・中堅社員に参考にしてもらいたいのが、「出世コースに乗っているわけではないが、イキイキと働いているオジサン」だ。

今後、ますます出世の機会は減っていく。半数以上が課長になれないとも言われている。こういった状況の中、「出世コースに乗っているわけではないが、イキイキと働いているオジサン」たちは、今、頑張っている若手社員にとって今後のよき目標になる。

詳しくは以降の回に譲るが、私の取材経験上、こういったオジサンたちは、会社の仕事を自分の関心と結び付けて深めている人や、会社以外で高い満足感を得ている人、および病気や挫折体験をきっかけに、新たな働き方を見つけ出した人が多い。

ただ、イキイキしたオジサンは、全体から見ると圧倒的に少数派なので、意識していなければ見落としがちなことに留意が必要だ。見極めるポイントは、「いい顔」である。

50代の男性は、顔つきで判断するのが一番間違いがない。

これからの連載では、「働かないオジサン」のことを深めながら、どうすれば「いい顔」で今後の人生を過ごせるかにもポイントをおいて、書き進めていきたい。

そのためには、「働かないオジサン」を単に批判的に取り上げる姿勢だけではいけない。

社員個々の組織内でのキャリアの視点、マネジメントをつかさどる会社または人事部側の視点、および組織外からサラリーマンの働き方を冷静に見つめる視点――の3方向からの見方が求められる。

次回以降の回では、こういった視点から、より詳しく「働かないオジサン」について見ていくことにする。

楠木 新 人事コンサルタント

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くすのき あらた / Arata Kusunoki

1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

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