1.無気力タイプ
前回のAさんの話にあったように、仕事に対する意欲がうかがえないタイプは「無気力タイプ」と呼べる。時間にルーズで、顧客の前でも仕事に対する意欲は見られず、社内の仕事も若手社員任せ。自分に来たメールの多くが未読になっていたり、電話が鳴っても自ら取ろうとしない年配社員もいる。もちろん上司の信頼は得られていない。
このタイプが多くいる職場で仕事をしたことがある社員は、一緒にいるだけで自分の意欲が失われていくのがわかったという。
彼ら無気力タイプも多くの場合、若い頃には、自分の将来のために、とにかく懸命に働いた時期もあった。
しかし、入社後の自分の働きぶりに対する評価や生活環境などの変化によって、自分と会社との間に生じた溝を修復できなくなったのだ。また、体調を崩して回復途上の社員や、仕事への不適応を起こしている人もいる。周りから何も考えていないように見えるお気楽な社員でも、詳しく聞いていくと、仕事へのやる気を失うそれなりの理由があることがわかる。入社時点から仕事に熱意を持っていなかったという社員は、少数派だ。
こういう無気力タイプは、本人の主体的な意欲がないので、自分と同じように働いてもらおうと努力しても無駄である。すべてのれんに腕押しになり、かかわればかかわるほど、こちらの意気がなえる。だから彼らとは最低限の仕事上のかかわりにとどめて、後は距離を置いておくのがいいだろう。
ここで大切なのは、それぞれの無気力タイプの社員が、どういう理由で活気を失っているのかを把握しておくことである。体調不良なのか、会社の仕事以外のこと(たとえば家族との関係)が原因なのか、もともとの本人の意欲の問題なのかなどである。そのうえで自分を重ね合わせてみる作業は、決して無駄ではないと思われる。
2.批判・評論家タイプ
前回のBさんの話のように、つねに批判的な立場で課題を指摘するが、自分ではまったく動かないのが、「批判・評論家タイプ」だ。自分がやるべき仕事を若手社員に押し付けてくることさえある。また、何か連絡が漏れていたりすると、「俺はそんな話は聞いていない!」とスネたり、大きな声で後輩社員を攻撃することもある。物の言い方も、つねに上から目線である。年下の上司もこのタイプのオジサンのことを、心の中では苦々しく思っている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら