介護のマッチング・プラットフォームとは? ブティックス社長ロングインタビュー
小林:買い手の候補側を探して新たに営業するわけではなく、元々お付き合いがあるところにお話を持っていくわけですから、営業効率も非常にいいですね。
新村:はい。東京だけでなく、大阪や福岡で展示会を開催しているため、全国の介護事業者とコンタクトできるのも非常に大きいと思います。東京だけの開催だと、来場者はどうしても関東圏に偏ってしまいますから。
小林:これこそが「データベース」と書かれていることの意味なんですね。
新村:そうですね。展示会を入り口にして、決裁権限者の情報と、決裁権限者が必要とされるニーズが、データベースとしてどんどん構築されていきます。その方々のニーズに、いち早く応えたのが、M&A仲介事業です。
アナログなM&A仲介事業
小林:最近、ロングテールの小規模なM&A仲介では、ネットでマッチングする方法をとるプレイヤーもでてきていますが、御社はネットでの仲介は行わず、データベースからアナログな形で仲介しているわけですよね。
新村:そうですね。最終的にはアナログです。インターネットで「介護M&A支援センター」というウェブサイトを作っていて、そこにインバウンドで事業売却のお問い合わせがきます。それらの案件を、我々が買い手候補にアナログで提案しにいく形をとっています。
村上:取っ掛かりを掴むところにはウェブが使われているわけですね。
新村:ウェブも活用していますが、展示会からの流入も多いです。展示会に来場される方の中には、一定の確率で事業の売却を考えていらっしゃる方がいます。
必ずしも経営難に陥っているわけではなく、介護報酬が減額となっていく中で、先行きが不安だから、経営状態が良い間に、高い値段で買ってくれる方がいれば売りたい、という考えの方が多いですね。複数の拠点でやっているけれども、一部の施設が飛び地にあって経営効率が悪いので、部分的に売却したいとおっしゃる方もいます。
村上:数が少ないとマッチング事業のバリューは下がるわけですが、圧倒的な数を実現されているわけですね。他の会社が同じようなM&A仲介事業を手掛けても同じ結果は起きないように思います。
小林:介護業界は再編が必要な業界ということですね。
新村:統計によると、介護事業者の廃業率が年6%というデータもあります。この数字はすごい数字です。全国21万5千ある介護事業所のうち、毎年13000件が廃業していることになるわけですから。